『自社ウェブサイトが最強のマーケティングツールになる』 |
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事業内容
当グループは、インターネット技術を用いて、大手企業のウェブマーケティングを支援する会社。 いわゆる“SIPS”事業の単一展開で、「コンサルティング」、「クリエイティブ」、「ウェブソリューション」、「ウェブ運用」の4つの柱を軸に、企業のホームページや携帯サイト等の設計・構築・運用やネットからリアルにつなぐ広告プロモーションまで、総合的なウェブプロデュースのノウハウを持つ。メンバーは戦略コンサルタントやプロジェクトマネージャーをはじめ、クリエイティブ、情報デザイナー、アートデザイナー、システムエンジニア、といった各分野の専門家。状況に応じて新規事業の研究開発も手がける。 “SIPS”とはStrategic Internet Professional Serviceの略称で、企業のネット戦略の策定からシステムの運用まで、ネット事業に関するすべてを請け負う業者のことである。インターネット黎明期には「ネットを使ってマーケティングが出来る」という感覚が大半の企業には受け入れられなかったが、ネットを使えばマーケティング戦略で効力が高くなる「大企業」向けにこだわり、名だたる企業との取引実績を積み重ねた経験と、SIPSの概念がぶれることなく続けてきた専門性・クオリティの高さはどこにも引けをとらない自負がある。 実際に提供するサービスにおいても、例えば、ある商品の販促においてクリック数の向上等のビジネスゴールを明確に設定し、戦略を練り、設計→構築→運用→分析→改善、さらに、ネットの枠を超えたイベントや店頭でのプロモーション、マスメディアとの連動などを使って課題を一貫して解決に導く企画力を持つのは当社以外にないという。 企業にとってのウェブサイトとは、史上最も強力な「自社メディア」であると当社は定義する。テレビ、雑誌、新聞広告など他社媒体の限られたスペースでしかできなかったことが、ネット環境の普及によって、より自在に、無尽蔵に行えるスペースが用意された。例えば、これまで1つの商品を限られた条件の中でプロモーションするというやり方だった広告が、ホームページを戦略的に設計することで、その企業の全商品の紹介や、イメージ構築のためのコンテンツ配信などが可能になり、全く新しい形の効果的なブランディングの場として認知されるようになった。 日本の広告市場は、年間6兆円規模でほぼ飽和状態といわれており、その中でパイを取り合わなければならないが、メディア別に見ると、マス4媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)からネットへのシフトは益々進んでおり、ネット広告費の構成比(規模)は2000年から06年までの6年間で約6倍にまで増えた。これまでインターネットをあまり信用していなかった大手企業もようやく無視できない存在だと認識し、対策を講じ始めた結果がネット広告のシェア向上に見て取れる。 当社のビジネスモデルはネットビジネスの黎明期にはすでに完成していたものだそうだが、それを受け入れられるだけの市場が出来上がるのに10年以上の歳月がかかったといえるだろう。そして近年では、6兆円の内訳を広告スペースと広告クリエイティブという枠で大まかに分けたときの広告スペースの部分で使われていた資金が、クリエイティブに流れている。広告スペースは価格低下も進み、今後当社が主力とするクリエイティブの重要度は益々高まっていくだろう。 |
設立経緯 石黒社長は米国スタンフォード大学でMBAを取得し卒業した94年から、シリコンバレーでのインターネットビジネス黎明期のただ中で、ハイテクに特化したコンサルティング会社を経営していた。 |
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当社が石黒社長を迎えたのは99年。その後多くのネット関連企業の盛衰があった。インターネットは確実に世の中のパラダイムを変えたとは言っても、ネットビジネスの劇的な利益創造は株式市場の予想通りには訪れなかったのである。「ネットがビジネスを変える」ところまでに至らなかった頃は、当社が専門とする市場も当然のことながらさほど大きくはならなかった。 |
今後について 当社の考えるコンペティターは、SIPS事業を展開している企業だけではなく、ネットに限らず総合的なマーケティングを手がける大手広告代理店全般。現在の売上げ規模(08年3月期:33億6,300万円)では、大手広告代理店との開きは現状では大きい。広告市場6兆円のパイを、当社の特性を生かしてとりこむチャンスがまだまだあると考える。現在の伸びを積み上げていくことはもちろん、今後の成長を加速させるようなチャレンジもしていきたい。クライアントサービスにおいては、成果報酬や売上げ連動での収入を得ることは難しいが、共同ビジネスという形で、報酬を分け合う場合もある。クライアントの保有する眠れる資産(コンテンツ)を有効活用して新しい事業を一緒に立ち上げるような場合も当社のノウハウが生きる。 |
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株主還元 昨年より配当を実施。配当性向3%であったが、今年は5%に。今後もこのラインは維持したい。今後の事業展開と今まで以上の成長を目指すための資金需要はあるので、内部留保も必要と考える。 |
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業績(連結)の推移(百万円)
(注)2006年3月期の数字は単体での業績 (注)2009年3月期の数字は会社発表業績予想 |
■西堀編集長の視点 |
インターネットは世の中のビジネスの仕組みを変えると言われて来た。いわゆるパラダムシフトを起こすと考えられてきたのだが、実際は世の中に大きなプレゼンスを持つに至ったネットベンチャー企業はそんなに多く出てこなかったのではないだろうか。むしろインターネットの持つ特性を利用した新しいマーケティング手法の有効性に気付き、その利用方法を極めているのは歴史のある大企業であると言ってもいいだろう。 今までのマス広告メディアはそのほとんどがプッシュ型メディアであったが、インターネットはプル型メディアである。つまり興味のある人しかネット上に存在する特定のウェブサイトにアクセスすることはないのである。その自らの意思でアクセスしてきた人に確実に企業が訴えたいものを伝えることができるサイト作りコンテンツ作りは、単なるウェブデザイナーやクリエイターの域を越えた、戦略性がベースにないと価値がない。 ネットイヤーグループが立ち上げたSIPSの事業が今ここに来てやっと花を咲かせたのは、大企業のインターネットに対する認識が大きく変化してきたことにある。ネットバブル当時アメリカ発のSIPSが日本にも上陸したがいつの間にか姿を消してしまった。粘り強く大企業を啓蒙し続けたネットイヤーが周回遅れでやっと勝利宣言したといえるだろう。 だがここ数年間の経営の成長が今後も続く保証はどこにもないことも石黒社長は強く認識しているようだ。ネットバブルの崩壊で浮き沈みの激しい業界を生き抜いてきたネットイヤーのこれからの競争相手は企業に対して総合的なマーケティング支援を行っている大手広告代理店ということになりそうだ。事業規模では到底かなわないガリバーのような存在に向かって戦いを挑み続ける新たなマーケティング企業としてNo.1ブランドになることを目指していただきたい。 |
企業DATA
ネットイヤーグループ株式会社
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□証券コード | 3622・マザ | ||
□ホームページ | http://www.netyear.net/ | ||
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