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明けましておめでとうございます。

今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

早速ですが、今年のIPOは、何社くらい出てくるのでしょうか?

市場関係者にヒアリングしてみたところ、2011年に主幹事証券会社がIPOさせたい企業数はおおよそ80−90社程度あるようです。

昨年の年初が50社程度で結果が22社でしたから、確率論で考えれば打率4割で35社前後ということになりそうです。

そして相場が良くて新興株式市場が上昇すればプラス10社程度は行けるのではないでしょうか。

超オプティミスティックに考えれば50社という声が上がっても不思議ではないと思われます。

しかしながら楽観的にみても50社では読者の皆さんの過去の記憶が消えないかぎり日本のIPOは低迷していると感じるでしょう。

本音はたかだか50社でどうするの?これじゃあ日本の株式市場は廃る一方だと思う方は多いのではないでしょうか。

ですが2009年は19社、2010年は22社だったことからすれば、もし仮に50社になれば凄い!の一言です。

いったん日本のIPO市場は壊れ、そして創業的出直しの時を迎えた、と考えれば今年が日本のIPO出直し元年ということになります。

年末に海外のメディアから日本のIPO市場はどうしてこんなになってしまったのか?という質問を受けました。

改めて考えてみると、IPOの仕組みが10年前に比べてここ数年で大転換してしまったことがこの減少の原因ではないでしょうか?

1999年に東証マザーズ、2000年にナスダック・ジャパン市場が創設されました。日本の新興株式市場はリスクマネーを新興企業(ベンチャー企業)に供給すべく上場プロセスと審査の簡素化が行われたはずです。

上場申請書類や開示書類作成のアウトソースも可能だったはずです。 

それがJ−SOXの導入により完全内製化が必須になってしまいました。そして監査済財務情報の四半期開示も徹底されることになったのです。

これではIPOして市場資金調達額が数億円を要求される組織を充足させるためのコスト負担が重すぎます。  

なぜJ−SOXが必要なのか?なぜ四半期財務諸表の監査を受けて開示しなければならないのか? 

当局からすれば投資家保護ということだと考えます。ライブドアショックを含めた数々の企業の不祥事を防ぐべく制度を強化したのではないでしょうか。 

ですが、この上場企業に課せられたルールを企業がしっかりと守っていれば投資家は大きな損失を被ることはないのでしょうか?

そんなことはないはずです。 

株価は個別企業のファンダメンタルズと市場全体のリスクの中で形成されています。

株価が大きく崩れるときはえてして個別企業の要因よりも市場全体のリスクが高まったときのほうが多いはずです。例えば、リーマンショック、市場は大きく崩れましたが、日本の上場企業のどこかが不祥事を起こしたわけではありません。このリスクは誰も防ぐことはできないのです。  

このような事態が起こったときに当局はなんと言ったでしょうか?「株式投資は自己責任、くれぐれもご注意ください!」と言うのが関の山だったでしょう。たぶん市場対応に追われてそんなコメントを出す暇もなかったはずです。

そして投資家は誰に文句を言うこともできず黙りこむしかなかったはずです。

そう、その通りです。株式投資はどこまでいっても自己責任で行うべきものなのです。ここの部分は何度も声を大にして言いたいところです。方法論としてはネット証券のログイン直後に毎回注意喚起を行うなどして念には念を入れて欲しいと思います。

そしてもし企業が投資家をミスリードするような開示を行って、株式の価値が大きく損なわれた場合、その企業の経営陣の責任はかなり重くて当然です。

このあたりの罰則のルールが軽すぎるが為に不祥事が起こると言えるのではないでしょうか。まずは不祥事を起こした経営陣は厳罰で処するという制度に改めるべきです。

証券市場関係者の負担は重くなるかもしれませんが、新興市場に上場した企業については上場後も主幹事と取引所がきっちりと監視すべきです。上場後10年間は3年に一度くらい上場審査に準じた経営者面談を行うなど経営陣に緊張感を持たせることでIPO時の精神を忘れさせるべきではありません。 

いろんな意味で気持ちの緩みが不祥事を起こすきっかけになるはずです。その気持ちの緩みを持たせないことがどのようなルールを作るよりも大事だと考えます。

この経営者の緊張感持続こそが日本復活ひいては日本のIPO復活にもつながるはずです。

本日は2011年も明けて5日目です。そろそろエンジン全開で頑張っていきたいと思います。

東京IPO編集長 西堀敬
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