IPO最新情報や西堀編集長のIPOレポート、FXストラテジストによる連載コラム、コモディティウィークリーレポート、REIT情報など、今話題の様々な金融商品をタイムリーにご紹介するほか、資産運用フェア、IRセミナーのご案内など情報満載でお届けしています。
|
|
|
|
皆様、明けましておめでとうございます。
すでに2012年も10日目となりました。時の過ぎゆくのは早いものですが、忘れようにも忘れられない2011年3月11日の傷跡はまだまだ癒えるものではありません。ですが、我々は前に進まねばならず、過去を振り返ってばかりではいられません。
2012年、今年は日本にとっても世界の多くの大国にとっても大きな変化の年となる可能性があります。米国、中国、ロシア、フランス、韓国、台湾等々で国家のトップを選出する選挙があります。選挙の方法は各国各様で国民一人一人に投票権がある国もない国もあります。誰に選ばれた国家元首であるかは別として、いま世界がおかれた状況からすれば、各国ともに将来が過去の延長線上では成り立たなくなってきていることを理解しない国家元首はいないはずです。
4年前に米国のオバマ大統領は「チェンジ」を合言葉に一大旋風を巻き起こし黒人初の大統領に選ばれました。今年再選されるかどうかは誰も知りうる限りではありませんが、今回の選挙こそ「チェンジ」が求められるのではないでしょうか。
日本国内においても野田総理は税の一体改革を推し進めることを表明しております。良薬は口に苦し、と言いますが、増税とその効用をしっかりと国民に説明し、日本の先行きを確たるものにできるかどうかは2012年にかかっていると思います。もし、この税の一体改革が今年中に決まらなければ、日本は本当にまずいことになる可能性は非常に高いはずです。日本の政治も正念場ということです。
さて、話は市場に移りますが、年が明けて円高が進んでいます。米国経済が幾分良くなってきたことでドルが買われてユーロが売られています。そのユーロ売りが、ユーロ円では円高に大きく振れているようです。お陰でクロスのドル円も円高というおかしな状況になってきています。
この円高どこまで続くのか?まだしばらく続く気配が漂っていますが、円高局面は必ずしも日本株安局面ばかりではありません。
過去の円高局面でも日本株高局面はありました。海外の株高で外国人投資家のリスク許容度が高まれば、日本の株式市場にも資金は入ってきます。
2012年は米国大統領選挙の年です。米国経済の回復と大統領選挙の盛り上がりで米国株高となれば、日本株も為替に関係なく連れ高となるやもしれません。
おそらくそのような状況になればドル円も動き、80円台に戻る可能性が高いと言えるでしょう。ユーロ円は別として、ドル円においての円高は最終局面も迎えている可能性もあります。
その意味では目先の円高は投資のビッグチャンスともいえます。
市場の動きに一喜一憂するのではなく、冷静に見つめながら少し長い時間軸で大局を考えるようにしたいものです。
最後の話題は2012年の日本のIPOです。
2009年が19社、2010年が22社、2011年が36社、そして2012年は何社になるのでしょうか?昨年末から各種メディアから質問されております。
東証は60社を目標にしていることはすでに報道の通りであります。ですが、この60社の中には鞍替えも入っているとのことですから、純粋なIPOは30社程度となるでしょう。この目標数値30社の八掛けとすると約25社となります。一方のJASDAQのほうも東証と同じくらいで25社程度は見込めるのではないかと考えております。併せて50社程度が2012年のIPO社数としては適当なところではないでしょうか。
2012年のIPOも飛躍的に件数が増えることはないでしょうが、ベンチャー企業や中堅企業の株式市場を使った資金調達が徐々に増えることは好ましい事であります。
一方、IPO株の株価は低迷しております。投資家不在のIPO市場ともいえる状況です。初値は公開価格を下回り、セカンダリー市場においても株価は下値模索の状況です。株価は安値に放置されているわけですが、この状況を打開するきっかけとなるのは何でしょうか。割安なIPO株に投資をしない理屈はいくつもあるのですが、その逆に投資をする理屈もいくつもあります。その理屈のどちらが勝るかだけの話ではないでしょうか?
投資とはバリューに賭けるかもしくはグロースに賭けるかのどちらかでしかありません。日本という国を見た場合、グロースはあり得ないと考える投資家が多いのはやむを得ないかもしれませんが、バリューであると考える投資家は多いに違いありません。ですが、このバリューという考え方は、いずれ株価がニュートラルになる、だから割安だということですから、いつニュートラルに戻るかがわからなければ、ずっとバリューであるとも言えます。
世の中は不透明で先行きが見えない日々が続いておりますが、2012年は世界の国家元首が変わることで政治と経済の枠組みみが変わり、グローバルに株式市場全体がニュートラルに戻り始める時期の模索の年になって欲しいと考えております。
そして、市場がニュートラルに戻り始めれば、株価のバリュエーションが復活してきます。その時はIPO株のバリュエーションが劇的に変化し、IPO市場の完全復活となるにことでしょう。
末筆になりますが、2012年、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。 |
東京IPO編集長 西堀敬
メールはこちら ⇒ column@tokyoipo.com |
|
|