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2009年4月22日(水)
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先週4月15日は米国の確定申告書の提出期限でした。源泉徴収制度に慣れてしまっている我々日本人とちがって、米人は税金に対して高い関心を持っていることをあらためて思い知らされる時期でもあります。

昨秋以来金融システム維持と経済崩落抑止のために膨大な資金を注ぎ込んできた政府に反感を持つ納税者も多く、このような考えの人々は先週の水曜日の夕方、各地で「ティーパーティー」と称した抗議集会を開き「税金を無駄使いするな、金融機関は金を返せ!」といったプラカードを持って団体で気勢を上げていました。

中には、財務長官のガイトナー氏が過去税金を滞納していた件を蒸し返して「税金逃れの財務長官に税金を使わせるな!」と、叫んでいる運動家もいました。

この「ティーパーティー」というのは英国植民地時代の「ボストンティーパーティー」事件に因んだネーミングのようですが、要は、納税者として時の為政者に物申すという、一つの反対意見表明の行動なのでしょう。

私は共和党支持者が多い地域に住んでいますので、余計にこのような反対集会が目立つのかもしれませんが、自ら申告書を作って納税する米人としては自らが汗して稼いだ金の行方には相当関心が高いのはうなずけるところです。

経済力が高いある州のラジオトークショーでは「わが州はいっそのこと合衆国から独立を!」と言った珍意見まで繰り広げられたようです。意見の当否は別にしても個人の納税意識と国政への意見がつながっているところは、納税者意識が希薄になりがちな日本人としては見習うべきかもしれない、と思いながら抗議集会を見ていました。

このようなティーパーティーの反感を感じたからというわけではないでしょうが、金融機関では政府の支援資金いわゆるTARPマネーを返そうという動きが進んでいます。ゴールドマンサックスを始め今後増資のメドを立てた金融機関は、支援資金の返済を実行しようとするでしょう。

今週発表されている各金融機関の第一四半期の業績発表によれば、低金利政策が奏功して各行ともに利益を計上しているようです。しかし、今後、企業や個人の信用状況悪化による不良債権が増えていくことは必至です。実際、ティーパーティーの翌日には、商業用不動産業界2位で200ものショッピングセンターを運営している大手企業が、約2兆7000億円もの負債を抱えて資金が回らなくなり、今年最大規模の倒産事件が勃発しました。

前回も書きましたが、経済の底なしの崩落感は薄れたとはいえ、経済危機はまだ過ぎ去ったわけではありません。今週のNY市場は、下げて始まったかと思えば火曜日は戻して終わり、ベアとブルが対峙して方向感に欠ける状況です。

相場は先の期待で動くものとはいえ経済実態とマーケットの動きとの間に妙な乖離感を持つ今は「休むも相場」という言を信じて模様眺めを決め込むのも悪くないかもしれません。その間花見でもしたいのですが米国ではそれもかなわぬ話。休んでゴルフをしたくても、そんなことをしていてはクビにされそうなので、せめて、ブルームバーグの画面を眺めるだけで当面過ごそうと思っています。


米国駐在インベストメントバンカー Mayflower


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