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2009年7月1日(水)
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マイケルジャクソン急死というニュースが世界を駆け巡り騒々しい一週間でしたが、6月末の米国株式市場の終値は5月最終日とほぼ同じ水準に着地して、相場の上値が重い展開の月でした。

ここにきて米国経済が回復しつつあるという「芽吹き(グリーンシュート)」説は早計だったという論調が増えています。経済への期待感が膨らまない雰囲気が相場にも表れているのでしょう。

前回も書きましたが、経済危機が底なしに深まるという恐怖感は薄らいだものの実体経済の悪化は続いています。グリーンシュートという英語を直訳せず、あえて意訳して「底打ちした」と言っていたなら、日本と同じく「まだそんな状況ではない」ともっと実感できたのかもしれません。

小売やサービスだけではなく、自動車、自動車部品、機械や運輸倉庫など、様々な業種で企業業績が悪化しています。こんな状況下、国際物流業のフェデックスの業績コメントに注目しているのですが、まだ荷動きは悪く実体経済の弱さを示しています。

また、各企業のキャッシュフロー報告書も注意して見ていますが、怖いほど企業がキャッシュを生みだす力は低下しています。

金融が完全に機能回復していない環境でありファイナンスによる資金手当てにはあまり頼れません。こういう時は、まず企業自らが営業キャッシュフローを獲得するのが重要な経営課題ですが、この営業キャッシュフローが激減しているのです。

売上、利益率、在庫や債権の回転など、あらゆる面での企業環境悪化がキャッシュフローを厳しくしており、人間に例えれば血流が少なくなり青息吐息という状況です。

ファイナンスによって輸血しようにも、輸血機能を担うべき金融もまだ完全に機能しているわけではなく、これがさらに企業の命脈維持を困難にしています。

この状況がもう一四半期も続けば、さらに企業倒産が増えて大変なことになるのは必至です。

ここは、景気底打ちのための起爆剤として政府による何らかの景気浮揚策の導入が必要でしょう。今までの政策導入で財政には相当の負担になっていますが、経済危機の第二幕を避けるためには、タイミング良い打ち手が待たれるところです。

ところで、今、コロラド州のアスペンで世界中の政治、経済、文化、芸術、学術など幅広い分野の賢人が集う、「アスペン アイデアフェスティバル」が行なわれています。藤崎一郎駐米大使、建築家の坂茂氏、そして日系米人芸術家のフジムラマコト氏と、世界各界のオピニオンリーダーに交じる日本、日系の堅人は少数に限定されているようですが、これからの明るい世界のために、聡明で建設的なアイデアが発信されることが大いに期待されています。

時代のパラダイムが大きく変った今、旧来の考え方にとらわれない斬新なアイデアへの転換が必要でしょう。世界がそれに本格的に取り組み始めるためにも、まずは目先、景気を回復軌道に乗せる点火ロケットとして景気刺激策の導入が必要なのではないでしょうか?


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/

米国駐在インベストメントバンカー Mayflower


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