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先日亡くなったマイケルジャクソンの追悼式が開かれた今日火曜日、テレビは朝からこの話題一色で、ニュース各社のウエブも追悼式の進行を随時アップするなど賑やかな一日でした。ステージに棺を運ぶスタッフの胸の赤いバラとカラフルなネクタイが印象的で、世界的なスターの早世を惜しむクライマックスを迎えた一日でした。
主要企業の四半期決算の発表を控えて、企業業績の弱気予想と米国経済の回復力のなさへの失望から相場は冴えない展開で、NYダウは161.27ドル下げて終了しました。
経済の底打ち感がない不透明な状況に、オバマ大統領周辺の経済アドバイザーからも追加経済政策の必要性を訴える声も出始め、今後、景気刺激策の追加導入要求が高まっていきそうです。
さて、これだけ景気が悪いとメジャーリーグのオーナーに球団を手放す動きが出ています。
元中日の福留選手がプレーしているシカゴのカブス(傘下マイナーチームには元オリックスの田口選手も)のオーナー会社であるシカゴトリビューン社は、ネット証券の創業者に球団を譲ることで基本合意したことがこのほど明らかになりました。
シカゴで有力新聞を発行しているトリビューン社は約1.1兆円もの負債を抱え昨年末に連邦破産法が適用され現在法的再建が進められており、今回の球団売却による約850億円の売却代金は、トリビューン社の負債返済に充当される予定です。
また、先日福盛選手(現楽天)を解雇したテキサスレンジャースもオーナーが売却先を物色中のようです。チームは好調ながらも、球団職員の1割をリストラ、売却実現までの生き残りに懸命で、かつての名投手の球団社長ノーランライアンは、不況下での球団管理に苦労しています。
内野席のチケットが約6,000円、家族四人で24,000円となれば、この不況下ではなかなか観戦に行けません。先日の首位攻防戦のレンジャース対エンジェルス戦も空席が目立っていました。
シアトルタイムズによると、レンジャースのオーナーは1998年に240億円(2億5千万ドル)程度で球団を買ったものの他のプロスポーツ投資もあり負債返済に追われているようです。レンジャースの現在価格は、約385億円(4億5百万ドル)と(フォーブス誌)見られています。
米国経済は頻繁なM&A(企業買収)により活性化されていました。経済が好調なときには、この買収価格が右上がりに上昇し、それがさらに株式市場を引っ張っていました。
今話題になっている球団売買は、上記のとおり現オーナーの財務事情によるものですが、今後、一般企業も同様の理由で売却話が増えるでしょう。しかし、買収案件をまとめるためには、金融機能の回復が必要です。カブスの売買もファイナンスが難点で合意に時間がかかったようです。
経済の新陳代謝には活発なM&Aが必要で、金融がそれを実現する役割を果たさねばなりません。経済回復には金融の機能回復が待たれますが、金融機関の不良債権問題解決は未だ道半ばで、米国の中流家庭が安心して野球観戦できるようになるのには、まだまだ時間がかかりそうです。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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