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その意味で、外国為替マーケットの行方を展望するためにテクニカル分析の手法を用いることは、個別銘柄の株価の行方を展望する場合より、ずっと有効性が高いものと言い切ってもいいでしょう。事実、外国為替相場の価格変動が極めてテクニカル分析の結果に忠実であるということは、長い歴史のなかでしっかりと証明されています。
それは何故かと端的に言えば、株式マーケットと外国為替マーケットでは、その「懐の深さ」が遥かに異なるし、それぞれの投資主体(=市場参加者の属性)も大いに異なるからだと思われます。
つまり、テクニカルを有効活用すれば、筆者のように凡庸な投資家でも、外国為替市場においていわゆる「プロ」と言われる人々と十分互角に戦うことができるのです。
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思い起こしますと…04年の秋以降、一気に進んだ円高・ドル安局面においては、とかく「米国の双子の赤字」がドル売りの材料として声高に叫び続けられていました。ところが、05年1月以降のドル/円相場は一気にドル高・円安トレンドに転じます。
果たして、米国の問題は一気に解決したのでしょうか?
もちろん、そのような事実はなく、むしろ「双子の赤字」は一段と拡大していました。
06年になると米国の貿易赤字は過去最大規模(グラフ参照)に達したわけですが、この頃になると、今度は「世界からの資本流入によって赤字を穴埋めするために米国はドル高政策を実施する」との理由でドルが買われることとなります。
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つまり、米国の双子の赤字というファンダメンタルズ的な要素は、ときに「ドル売り」の材料となり、ときに「ドル買い」の材料となるのです 。
ちなみに、米FRBが金融引き締めに傾いたのは04年6月のことであり、そこで日米の金利差(拡大)が重要視されていたならば、もっと早い段階で円高・ドル安局面は終息していたはずです。
さらに言うと、米FRBが金融引き締めに傾き始めた頃の米消費者物価(除く食品、エネルギー)は、前年比年率で1%を超える伸びを示していました。これは、当局が利上げに踏み切るずっと以前から米国経済の回復傾向は鮮明になっていたことを意味します。その意味でも、当時の円高・ドル安局面はもっと早い時期に終息していておかしくなかったはずです。
にもかかわらず、02年1月から始まった円高・ドル安トレンドは、99年の年末からスタートした「5年サイクル」の終点=05年1月まで“ちゃんと”継続したのです。つまり、これは「サイクル」というテクニカル的な要素の方が、「双子の赤字」や「金利差」などといったファンダメンタルズ的な要素に勝ることを意味します。筆者は当時、そのことを思い知りました。
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なお、誤解のないように言っておきますが、いかにテクニカル分析手法を駆使しようとも、相場に「負ける」ことはあります。また、昔からよく言われるように「頭と尻尾」はくれてやらざるを得ません。むしろ、それは「宿命」と言ってもいいでしょう。
ただ、以前よりも勝率がアップすることだけは間違いありません。当然、どんなに腕自慢の「プロ」でも負けることはままあります。そんなプロたちの勝率に自らの勝率を近づけることができるのです。。
5勝5敗が当たり前の外国為替取引で、それを7勝3敗、8勝2敗にすることは十分に可能。さらに言うと、仮に5勝5敗でもトータルで見れば立派な利益を勝ち取ることができるはずです。
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1964年東京都生まれ。 慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJ証券勤務を経て転身。主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、引いては個人の資産形成、資金運用まで幅広い範囲を分析・研究する。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等の講師を務め、年間の講演回数はおよそ150回前後。 週刊現代「ネットトレードの掟」、イグザミナ「マネーマエストロ養成講座」など、活字メディアの連載執筆、コメント掲載多数。また、数多のWEBサイトで株式、外国為替等のコラム執筆を担当し、株式・外為ストラテジストとしても高い評価を得ている。 |
自由国民社「現代用語の基礎知識」のホームエコノミー欄も執筆担当。 テレビ(テレビ朝日「やじうまプラス」、BS朝日「サンデーオンライン」)やラジオ(毎日放送「鋭ちゃんのあさいちラジオ」)などのレギュラー出演を経て、現在は日経CNBC「マーケットラップ」のレギュラーコメンテータ、フジテレビ「めざましテレビ」、「ほんまでっかニュース」の経済ご意見番などを務める。 |
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