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「証拠金が吹っ飛ぶ」というのも非常に稀なケースです。なぜなら、一般にFX取引会社は投資家が差し入れた証拠金に対して一定割合以上に損失が膨らんでくると、そこで自動的に取引が解消される仕組みになっています。つまり、よほどのことがなければ「証拠金が全額なくなる」とか、「証拠金以上の損失を抱える(=追加証拠金が必要になる)」ということはないのです。
そうでなくとも、多くの賢明な投資家は、自分で最初からロス・カットの水準を定め、相場が思わぬ方向に向かったときの損失発生を限定しています。例えば、ドル/円が115円のときに「買い」の注文を出すとき、同時に「113円以下になったらロス・カット」という注文を出しているのです。その後、結果的に108円になってしまったとしても…「そんなの関係ない!」ですよね。
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そして何より、FXというのは外貨の「売り」から取引をスタートさせることができます。「売り」から入って、結果的に値下がりしたら「買い戻す」ことで利益を確保することができます。その点、外貨預金や外債、外貨MMFなどの商品では、外貨の「買い」からしか取引を始めることができません。つまり、外貨が値上がりしないかぎり、利益を手に入れる術がないのです。
よく、それは株式の信用取引における「カラ売り」に似ているとおっしゃる方がいます。しかし、実のところ外貨の「売り」は信用の「カラ売り」とは似て非なるものなのです。どういうことかと言いますと…信用の「カラ売り」というのは、言わば「株価が下がることに期待する」という少々後ろ向きの投資姿勢ですよね。しかし、外貨の「売り」から入るという行為は、逆を返せば日本円の「買い」から入る=「日本円が値上がりすることに期待する」という行為なのであって、私たち日本人にとっては非常に前向きの投資姿勢なのです。
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ちなみに、外貨の売り(=円の買い)から入るという投資判断が正解であった場合、その逆の場合に比べて利幅が大きく取れ、かつ利益確定までのスピードも速いことがよく知られています。これは過去のチャートを確認すれば一目瞭然。円安に向かうときというのは往々にして緩やかなペースなのですが、円高に向かうときというのは往々にして速いペースで一気に進みます。
かく言う筆者も、8月にドル/円が119円台から111円台まで一気に下落する僅か4〜5日の間に、ドルの売り(=円の買い)から入ることで結構な利益を手中に収めることができました。
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なお、今後の相場展望については次回以降、本欄で詳しく分析してみたいと思っていますが…基本的に05年1月以降続いたドル高や2000年以降続いていたユーロ高などのトレンドは、それぞれ6月、7月の高値でピークアウト&トレンド転換し、今後しばらくは円高トレンドが続くものと見ています。これは、筆者はもちろん多くの市場関係者が07年の年初から指摘し続けてきたことで、ようやく「その時」がきたのだな〜という感覚です。
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よって、もともと筆者や多くの市場関係者は、FXで「ポジションを中長期的にホールドする」という投資姿勢にはあまり賛同できませんでした。言い換えれば「中長期でスワップ・ポイントを稼ぐ(=内外金利差を一つの収益源とする)」という投資姿勢を貫くのは難しいということであり、まして円高トレンドがしばらく続くとすれば「到底無理」ということになります。
やはり、FXの基本はスウィング・トレード。それは概ね3日〜10日前後で売買するというスタンスです。
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1964年東京都生まれ。 慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJ証券勤務を経て転身。主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、引いては個人の資産形成、資金運用まで幅広い範囲を分析・研究する。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等の講師を務め、年間の講演回数はおよそ150回前後。 週刊現代「ネットトレードの掟」、イグザミナ「マネーマエストロ養成講座」など、活字メディアの連載執筆、コメント掲載多数。また、数多のWEBサイトで株式、外国為替等のコラム執筆を担当し、株式・外為ストラテジストとしても高い評価を得ている。 |
自由国民社「現代用語の基礎知識」のホームエコノミー欄も執筆担当。 テレビ(テレビ朝日「やじうまプラス」、BS朝日「サンデーオンライン」)やラジオ(毎日放送「鋭ちゃんのあさいちラジオ」)などのレギュラー出演を経て、現在は日経CNBC「マーケットラップ」のレギュラーコメンテータ、フジテレビ「めざましテレビ」、「ほんまでっかニュース」の経済ご意見番などを務める。 |
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