また、ドルに並ぶ第2の基軸通貨になり得るものとしてユーロの価値が見る見る高まっていることにも注目しておきましょう。
既に、国際資本市場における有価証券発行残高は「ユーロ建て」が「ドル建て」を上回っており、紙幣の流通量もユーロがドルを上回っています。そうでなくとも、年を追うごとにユーロに参加する国の数は増加しており、今後もユーロ経済圏は拡大の一途を辿る見通し…。いまや、世界的に「ユーロの基軸通貨化」が進んでいると言っても過言ではなさそうです。
そして、いまユーロは「金」と同じように各国の外貨準備において、その比率をグングン高めています。
結果、近年では金価格とユーロ/ドルの間に強い連動性が認められるようになっていることは見逃せません。少々大雑把に言えば、ドルを離れた資金は金、そしてユーロに向かう…ということは、金価格が上昇するとドルが売られてユーロは買われるので、ユーロ/ドルは値上がりするということになるわけです。
では、ここで当面のドル/円、ユーロ/ドル、金価格の行方を展望しておくこととしましょう。
まずはドル/円ですが、やはり大勢はドル安・円高トレンドが続くものと見て間違いないでしょう。中勢でも07年12月27日の高値=114.64円が07年11月26日安値を起点にスタートした8〜9ヶ月サイクルのトップになったと見られ、08年7月〜8月ぐらいまではサイクル安値をつけに行くタイミングとなっています。ただ、小勢(目先)3月半ばぐらいまでは114.64円を超えない範囲でリバウンドを試す展開があっておかしくないものと思われます。
そうだとすると、3月半ばぐらいまではユーロ/ドルもなかなか1.5ドルの壁は越えられない…。
07年11月23日、08年1月15日、08年2月1日につけた高値は、果たして「トリプルトップ」となるのか、それとも「上昇三角形」の上辺を形成するものとなるのか、いまのところ定かではありませんが、どちらかと言うと「上昇三角形(=下図参照)」のような気もします。つまりレジスタンをブレイクすれば一段高となる可能性を孕んでいるということです。
|