欧米金融機関の損失はいまだ出尽くしておらず、今後はプライム住宅ローンや商業不動産ローン、LBOローンなどの関連損失も増大してくるものと見られます。また、米国経済の「景気後退期入り」の可能性はかなり濃厚となっており、4月7日には全米経済研究所(NBER)のフェルドスタイン所長が「12月もしくは1月がピークで、その以降リセッション(景気後退期)に入りつつある」との私見を述べています。
そうなってくると…(米)FRBは、4月ならびに6月のFOMCにおいて追加利下げを断行する可能性が濃厚。
4月と6月の利下げをあわせて、現在のFFレート=2.25%が1.50%〜1.25%まで低下するというのは、すでに市場のコンセンサスになっているとも言えるでしょう。
それだけ猛スピードでFFレートを引き下げれば、当然のことながら、イールドカーブ(長短金利差)はスティープ化(金利差は拡大)します。最終的に金利低下に歯止めがかかる頃になると、金融機関の収益は改善&先行き不安も一気に後退⇒不況下の株高を通じて、ドルが一時的にも買い戻される局面を迎える可能性が十分にあります。
その頃には、米政府が実施する「戻し減税」の効果も目に見えて現れ、年後半の経済成長は持ち直しの動きを見せることとなりそうです。要するに、今年の後半までには「金利の底入れ感」が出てくることにより、年末にかけてドルは一時的にも堅調になる可能性があると考えることができるわけです。
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