逆に、3本目のラインで反発したことを確認し、そのうえでドル/円の「買い」を仕掛けたとしましょう。
当面のターゲットは5月2日の高値=105.69円ということになるでしょうか。
ここで問題となるのは「では、ストップロスはどこに置くか?」ということです。
正直言って、それが一番難しい…。一口に言えば、それは「チャートポイント(=ここでは3本目のライン)と思われる水準に対して、少し余裕を持たせた(下方の)水準で」ということになるのですが…。
こうしたときに何より重要なのは、欲に言う「ストップロス・ハンティング」に遭わないようにすることです。
このストップロス・ハンティングは、相場がトレンドとは一時的に逆の動きをするがすぐに元のトレンドに戻ったときに発生している(後で考えれば…)ことが多いんですね。
たとえば、基本的にドル高・円安トレンドが続いているとき、当然、多くの投資家はドル/円の「買い」から入り、万一のために買いを入れた水準よりも少し下にストップロス(=売り)注文を入れる。ストップロス・ハンターは、このストップロス(=売り)注文に買いをぶつけに行き、再び元のトレンドに戻ったときにサヤを取ろうと企てるのです。
過去の具体的な事例で見てみましょう。
以下のチャートは、07年6月22日にドル/円が高値をつけて、後に急反落した場面です。当時のドル/円は長らく一定の上昇チャネルを形成しており、124.12円の高値を付けたときも、ドル/円はチャネル下限に向かって下降し始め、それまでと同じようにチャネル下限で下げ止まって再び反発しました。7月2日に安値をつけた2日後、もう安心だろうと思って122.50円で「買い」を入れたとします。さて、このときストップロスは、一体どの水準に置くべきでしょうか?
結論を急ぐと…このときストップロスを置くのに適当な水準は、損失を最小限に抑える(最も高い水準を考える)なら、121.70円前後ということになるものと思われます。言うまでもなく、チャネル下限と同水準にストップロスを置くなどということはあり得ません。ならば、キリのいい122.00円でも良さそうなものですが…キリのいい水準というのは、多くの投資家にとって「心理的節目」となりやすく、ゆえにその水準までは到達しやすい…。
よって、少し余裕を持って30銭ほど下の121.70円でストップロス。
さしものストップロス・ハンターも、そこまでは取りに来ることができないはずです。また、121.70円では既にチャネル下限よりもだいぶ下方に降りてきてしまっていて、その時点ではチャネル下限がむしろ上値抵抗線にとって代わろうとする可能性があります。多くの投資家も「トレンドは転換した」と考えるようになるため、もはや元のトレンドに戻るのは困難と考えることができます。
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