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正直、このところの外国為替相場では、かつてないほどに読みにくい展開が続いている。
過去の経験則からして、かなり確度の高い「節目ブレイク」が示現したとしても、なかなか「その流れ」を引き継ぐような展開には結び付かないのだ。つまり、それだけ方向感に乏しく、もみ合い圏を形成しやすい状況が続いているということである。

これは、むしろ米国をはじめとする各国経済が今置かれた状況を考えた方が説明&理解しやすい。
4月以降、世界の経済状況は「底割れ懸念が後退」し、「だいぶ底入れ感も広がってきた」ように見られる。一部には「早くも景気回復期待を高める」向きがあり、4−6月は少々先走り気味ながら日米株価の戻りや原油、金先物価格などに強い戻り歩調が見られた。
確かに、日米の経済指標などを見ても「前月比」で見ればプラス(+)に転じるケースが少なからず見られ、その意味では「底入れしつつある」との判断も間違いではなさそう…。ただ、同じ経済指標も「前年同期比」や「ピーク時比」で見ると、いまだ大きくマイナス(−)というケースが大半で、まだまだ前向きに評価できるレベルではない。直近発表分では、(米)6月の消費者信頼感指数が予想外に低下し、6月の日銀短観も事前予想より弱い数値となった。つまり、思っていた(期待していた)ほど良くはなっていないということを、あらためて再認識させられるケースも少なくないのだ。

このような状態を風に例えれば、まさに「凪(なぎ)」ということになるだろうか…。
個人的には、ゴルフスウィングを思い浮かべながら、いまや「バックスウィング(崖を転がり落ちるような悪化が続く状態)」と「トップからの切り返し(大底圏からの脱出)」の段階は終わり、まさに「これからダウンスウィングに入らんとしている」あたりの状況と考えているのだが、おわかりになるだろうか。
つまり、インパクトの瞬間(とき)を迎えるまでには、いま暫し時間の経過を待たねばならないということ。
現時点では「果たして、理想的なインパクトを迎えられるかどうかは誰にもわからない」。もちろん、ここで言う「インパクト」というのは「各国が講じている景気対策や金融政策の効果が目に見える形であらわれるタイミング」を意味するのだが、それは少なくとも今日、明日のことではない。

まずは、ちゃんとスクエアにボールに当たるかどうか──「大スライス」や「シャンク」では困る。また、仮にスクエアにボールを捕らえに行ったとしても、最終的に「トップ」や「ダフリ」となる可能性もある。
その結果が明らかになるのは、おそらく10月半ばから11月のことであろう。根拠は数あるが、第一に米国の主要金融機関のうち10社が、先に実施されたストレステストで「資本増強の要あり」とされ、ついては11月初旬までに必要な資本増強を果たすべしとされていることにある。
もちろん、ほぼ間違いなく各社は必要とされる資本増強を100%達成することだろう。ということは…(ストレステストの中身に対する是非はあろうが)11月初旬の段階をもって、晴れて「米国の金融の問題」にはきっちりケリがついたと判断されることになるわけだ。いや、何がなんでも米政府&当局は、そう判断することを強要(?)してくるだろう。
その実、バーナンキ米FRB議長は以前から「今年の後半から来年にかけて米国景気は回復する」と語っている。

とにもかくにも金融が正常化しさえすれば、その効果は広範に渡る。何より期待されるのは米国の住宅価格が下げ止まり、底入れから反転上昇に向かうことであろう。
ちなみに、6月30日に発表されたS&P/ケースシラー住宅価格指数は、06年第2四半期のピーク時に対して、主要10都市で33.6%、主要20都市で32.6%の下落となった。過去のトレンドから判断して、底打ちのメドは「ピーク時の水準から約39%下落したところ」とされる。その意味でも、米住宅価格の下げ止まりは、ここ数か月のうちに見られるものと見込まれる。

以上のようなことを考慮すると、いま暫く=凪の状態が続く間は、基本的にドルの下値は限られ、その一方でユーロや原油、金などの上値も限られることとなろう。その実、一時的にも70ドル台に乗せる動きを見せたNY原油、1000ドルに迫る動きを見せたNY金の上値はいよいよ重くなってきた模様。前回の本欄でも指摘したが、この夏から秋にかけてNY原油やNY金は一時的にも調整局面を迎えるというのが市場のコンセンサスと言っていいだろう。




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