また、以前から指摘していた通り、ひと頃、大口投機家によって過度に買い上げられたWTI原油先物価格も1バレル=60ドル割れの水準まで調整してきた。この先、しばらくは調整含みの展開が続くものと見られ、場合によっては一時的にも50ドル割れとなる可能性もあろう。もちろん、原油がレンジ内での調整を続けている間、基本的にドルは売られにくいものと見られる。
原油価格がしばらく調整するとなると、やはりユーロ/ドルも調整色の強い展開となろうか…。
前回の本欄でも指摘したとおり、昨年10月安値からのリバウンド局面は、6月3日高値=1.4337ドルをもって終了した可能性が一段と強まってきた。つまり、昨年6月高値を起点とする修正波は(B)波のユーロ高局面が終了し、今後しばらくは(C)波の調整局面を続けることになるものと見られる。
現在は、下のチャート上に示したとおり、いわゆる「三角保ち合い」を形成しているように思われ、6月3日高値と7月1日高値を結んだラインは今後も強い「抵抗」として意識されやすい。加えて、一目均衡表の遅行スパンが日々線と絡み合う状態になっていることから、いましばらくは方向感が見出しにくい状態を続けるものと見通される。
当然、次に注目しておきたいのは、この三角保ち合いを上か下のどちらかに放れるタイミングであり、仮に下放れた場合には、6月16日安値=1.3747ドルを試す展開となり、同レベルを下抜けると、いよいよ前述した「ユーロ高局面が6月3日高値で終了した」との感触が確度を増すこととなる 。
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