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この8月、米国の代表的な株価指数であるS&P500は月間で3.4%の上昇を見た。
月間ベースでの上昇は6か月連続となり、同指数を構成する米国企業500社の平均PERは18.98倍と、02年以来の高水準に到達している。ここは、さすがに警戒感の強まりやすいところ…。
そうでなくとも、歴史的に見て9月というのは12ヶ月のなかで最も米株価のパフォーマンスが悪い月であり、ことに8月が高かったときの9月というのは調整安となるケースがほとんどである。
前回の本欄でも詳しく触れているが、この半年ほどの間、米株価の上昇を支えてきたのは、紛れもなく米経済と米企業業績の回復期待であった。そして、それを側面支援してきたのは、やはり政策効果と輸出の伸びの復活ということに尽きる。
なかでも、即効性が強かった「自動車買い替え支援策」は、あっという間に財源が底を尽き、当初11月までの予定を大幅に前倒しして8月下旬に終了してしまった。まして、買い替えの対象となった省エネカーは多くが日本のメーカーのものだった。
また、一次取得者向けの「住宅購入支援策」も11月末には申込期限を控えており、もはや足元で政策効果の一部は息切れし始めている。
その一方で、4月以降、日米欧の輸出を支えていた在庫サイクルも一巡し、さらに世界最大の消費市場である中国においては足下で株価の調整が進んでいる。いまや「リスクマネーの体温計」と称されるほどの影響力を持つ上海総合指数は、8月に月間で20%を超える下落となり、大いに日米株価の動向にも影響を及ぼしている。
「リスク資金の流れが転換点を迎えた可能性がある」──いまでは市場関係者の多くが株価や商品価格の先行きに慎重になり始めており、前回の本欄でも指摘したように「今秋から年末にかけて景気や株価は2番底を試しに行く」との思いは、日増しに共有されつつあるようだ。もちろん、そうなれば投資家のリスク回避姿勢は再び強まるようになり、これまで株式市場や国際商品市場、資源国などに向かっていたリスクマネーが再びドルや円に向かいやすくなることだろう。
その結果、まずユーロ/ドルには売り圧力がかかりやすくなる可能性があろう。
下のチャートに見るように、足下でユーロ/ドルは昨年10月安値からの戻り相場(B波)が、8月5日の高値=1.4446ドルで終わったかどうかを見極める局面にあるものと見られる。
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いまのところは、一目均衡表の「雲」上限を下値サポートとして、もみあいを続けているわけだが、結果的に先々の「雲」は薄くなっており、場合によっては「雲」を一気に下抜ける可能性も否定はできない。
ユーロ/ドルとの高い連動性が認められる原油価格も、当然、リスク回避姿勢が強まるほどに調整色を強めるものと思われ、執筆時に70ドル割れの水準となっているWTI原油先物(期近物)価格は、今後、少なくとも7月下旬の安値=62.70ドルあたりまで下押す可能性が高いものと考えられる。
また、ユーロドルの動きに先行すると言われるポンド/ドルも、8月5日高値=1.7043ドルから下げ足を速めており、執筆時は1.62ドル前後での推移となっている。今後、重要な節目と見られる1.60ドルを割り込むようであれば、一気に下げが加速することとなり、それがユーロ/ドルの下げを誘発する可能性もある。 |
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