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FX(外国為替証拠金取引)ってなに?
知らないと損しちゃう!企業の開示情報
田嶋智太郎の一歩先行くFX
11月27日、ドル/円が一時的にも85円割れの水準にまで大きく沈み、現政権発足以来、最も厳しい批判をメディアと国民から受けていることで、ようやく政府も本腰を入れて円高・株安対策に乗り出した模様だ。

振り返れば、なぜ、政府は11月20日に「デフレ宣言」を行ったのか?
日本のデフレは12年前から長らく続いており、残念ながら、これまで1度も克服されてはいない。そんなことは内外の日本ウォッチャーにとっては常識であり、いまさらかしこまって「宣言」されても…。

政府はあらためて「宣言」をすることで、日銀にプレッシャーをかけようとしたことは間違いない。しかし、それでも日銀は動かない…。もともと、ちょっとプレッシャーをかけるぐらいで動くタマではないのだ。

なにしろ、日銀は年に2回公表する「展望レポート」において、平気で「今後も消費者物価指数はマイナス圏で推移する」としているのである。俗に『物価の番人』と言われる中央銀行が、何のためらいもなくデフレ予想をしているのであるから、これは自らの役割を放棄していると捉えられても仕方がない。

困った時の日銀頼みを批判する向きもないではないが、正味のところ、かつてないほど深刻な財政悪化懸念が色濃くなっているなかにあって、ある程度の日銀頼みも致し方なかろう。そもそも、目下の日銀の「態度」には欧米の中央銀行との温度差があり過ぎるのだ。

日銀の幹部いわく「日銀のバランスシートは経済規模での比較において欧米を上回る」。それはその通りだろうが、いまはそんなキレイゴトを並びたてている状況であろうか。大事なのは、政府と日銀が緊密な連携を取り合って、いまそこにある「危機」を何が何でも回避すべく必死の努力をしているという「姿勢」を内外にハッキリとメッセージとして発することである。

政治家たちは、ようやくそのことに気付いたようで、執筆時現在、ちょっとわざとらしいまでのメッセージを具体的な言葉にして、次々に発し始めている。

11月30日に鳩山総理は「円高に迅速に対応しなければならない」、管副総理は「政府は円高歯止めの姿勢などで合意」などと発言しており、彼らの立場で「円高阻止」を明言することは異例と言ってもいいだろう。藤井財務相の発言が世界中で「オオカミ少年」と思われている以上、もはや仕方がないのかもしれないが…。

もっとも、いくら総理や副総理が「円高を阻止する」、「日銀総裁と会談する」を意気込んだところで、必ずしも日銀が思い通りに動くとは限らない。その実、鳩山総理は「日銀の独自性を尊重する」とも言っており、この期に及んでも日銀がはき違えた独自性、独立性を盾に量的緩和拡大要請には応じない可能性も十分にある。

執筆時、市場はなまじ政府による連携の演出に期待(あるいは警戒)しているがゆえに、互いの意思疎通が不調に終わったとき、かえって「失望」を買い、逆効果となりかねないことも懸念される。

かつての自民党政権を擁護するつもりはさらさらないが、実際に過去のデフレ不況下における福井日銀総裁と竹中経済・財政担当相の間には、それなりの人間関係もあったし、結果的に相互の政策アコードがあった。安倍総理の時代にも、日銀に前倒しの利上げを踏み留まらせるプレッシャーは効いていた。そこには政府と日銀のパイプがあり、経済閣僚と日銀総裁は「市場との対話」ができた。

しかし、現下の政府と日銀の間には…。白川総裁は、かつてのデフレ不況下において実施された量的金融緩和の拡大には、それによって銀行貸出が増えたという事実はないため、政策の論理的効果は認められないと考えているようだが、当時の量的緩和拡大は結果的に円安をもたらし、日本経済がデフレ・スパイラルに陥ることからは逃れられた。
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