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ちなみに、4月28日にはギリシャ国債10年物の利回りが一時13%という驚愕の水準に達し、ドイツ国債との利回り格差が約10%にまで拡大するという異常事態になった。
ある試算によれば、ギリシャ国債の利回りが10%にまで上昇し、その結果、ドイツ国債との差が7%にまで拡がると、ユーロ/ドルは1.24ドルまで値下がりする計算になるという。08年10月の安値は1.2329ドルであるから、やはりそのあたりが中期的な下値メドということになろう。
ときに、今後対ユーロでドル高が進むとして、それは対円でも同様なのか?
前回の本欄でも記した通り、ドル/円は3月下旬から4月上中にかけて明らかに上抜けた。下のチャートを見ての明らかなように、07年6月高値と08年8月高値を結ぶ重要なレジスタンスを上抜け、明らかな上昇トレンドに転じたと見るのがセオリーだ。よくみれば、07年6月高値からの下落(=円の上昇)は教科書通りの5波構成となっており、第5波がチャネル下限に届くことなく反発している。
振り返れば、02年1月高値から05年1月安値までの下落(=円の上昇)局面も5波構成となっており、第5波はチャネル下限に届くことなく反発。結局、05年1月安値は、あらたな5年サイクルの起点となった。
目先考えられるのは、いわゆる「リターンムーブ」の動きであり、チャネル上限を上抜けてから一旦は、あらためてチャネル上限を試すような動きを見せる。それが4月19日の安値=91.61円であったとすれば、今後は同水準が重要な下値メドとなり、中期的には09年4月高値=101.45円を強く意識した展開を続けることとなろう。
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ただ、それが決して一本調子では行かないのも事実。その実、米国の経済実態はとても早期利上げに踏み切れるような状態ではない。ただ、その事実があからさまになると、すぐさま市場には悲観論が広がってしまい、巨額の財政赤字を抱える米政府としては打つ手がなくなってしまう。よって、米政府・当局はおぼろげながらも回復感を演出することに懸命の努力を続け、ときには「出口」を匂わせたりする。
その「出口」を市場があまり素直に意識すると、結果的に引き締めの影響が露わになってきてしまうので、そうしたときには米政府・当局がやんわりと金利先高期待を鎮めようとする…そんなビミョーな駆け引きをおっかなびっくり続けているというところであろうか。
それでも、6月にはカナダがG7諸国のなかで最初に利上げに踏み切るとの見方が市場を支配しはじめていることから、カナダに次ぐ一つの候補として米国が浮かび上がり、あらためて米金利が強含みになることでドル/円も上げ余地を探るといった展開になるものと見られる。なお、当座のドル/円の上値メドは前回の本欄で示した通り、段階的に95.10円、97.10円あたりになるものと見られる。
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1964年東京都生まれ。 慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJ証券勤務を経て転身。主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、引いては個人の資産形成、資金運用まで幅広い範囲を分析・研究する。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等の講師を務め、年間の講演回数はおよそ150回前後。 週刊現代「ネットトレードの掟」、イグザミナ「マネーマエストロ養成講座」など、活字メディアの連載執筆、コメント掲載多数。また、数多のWEBサイトで株式、外国為替等のコラム執筆を担当し、株式・外為ストラテジストとしても高い評価を得ている。 |
自由国民社「現代用語の基礎知識」のホームエコノミー欄も執筆担当。 テレビ(テレビ朝日「やじうまプラス」、BS朝日「サンデーオンライン」)やラジオ(毎日放送「鋭ちゃんのあさいちラジオ」)などのレギュラー出演を経て、現在は日経CNBC「マーケットラップ」のレギュラーコメンテータ、フジテレビ「めざましテレビ」、「ほんまでっかニュース」の経済ご意見番などを務める。 |
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