Tokyo IPO Contents Menu
メルマガ登録 |
IPO最新情報や今話題の様々な金融商品をタイムリーにご紹介するほか、資産運用フェア、IRセミナーのご案内など情報満載でお届けしています!
|
|
|
|
対ユーロでドルを買い上げるのに限界があるのと同様に、対ドルで円を買い上げるにも限界があろう。各国の財政問題というのは、目下のところ緊急性の強いところから順に取り沙汰されており、いずれ日本の財政問題にも焦点があてられるようになることは必至だからである。
その意味でも、大きな流れがドル高・円安に向かっていることは大前提であるのだが、目先の動きは少々複雑なものになると見込まれる。
まず、先にも述べたように米国経済は景気対策の下支え効果によって3月、4月までは想定以上に順調な改善傾向を示してきた。しかし、5月以降は景気対策の息切れ、期限切れが目立つようになり、少なくとも金融政策の「出口」はこれまでの想定よりも遠退く可能性がある。結果、日米金利差が縮小することで対円でのドル買いが進めにくくなることもあろう。
周知のとおり、米国のGDPに占める個人消費の割合は7割を超え、その内訳は金額ベースで見ると住宅関連消費がやはり大きい。その住宅が5月以降、目立って売れ行き不振に陥ることは明らかであり、そのことが米景気全体に暗い影を投げかけるようになる可能性が高い。もちろん、これはドル売り要因となるが、米景気の落ち込みは日欧の景気にも大きく響くわけであるから、各通貨ペアの動きは互いの裁定によって位置付けられることとなろう。つまり、そう極端にドル安に振れるわけでもない…。
テクニカルな観点からすると、ドル/円は昨年11月安値が5年サイクル安値になったと同時に、9ヶ月サイクルの安値にもなったものと見られる。
だとすると、8月末頃に向けて9ヶ月サイクル安値をつけに行く可能性があり、その前提からすると5月5日の高値=94.99円がサイクル高値になった可能性がある。つまり、中期的にはドル高・円安トレンドの渦中にあるが、短期的にはドル安・円高方向に向かう可能性も否定できない状況にあるということだ。
ちなみに、下のチャートにも見られるとおり、07年6月高値と09年8月高値を結ぶラインを3月下旬に上抜けて以来、週足終値ベースで明確に下抜けてはいない。このことが、いまだ中期的なドル高・円安トレンドを維持していることの根拠とされる。
|
|
次のポイントは、週足ベースの一目均衡表の「雲」上限を上抜けるかどうかだが、どうやら…いま暫くは「雲」上限が上値抵抗として立ちはだかる可能性が高そう…。投資家にとっては少々じれったい商状が続くこととなりそうだが、次に明確なトレンドが確認されるようになるまでは、目先の値動きに短期で乗るか、様子見姿勢を決め込むのが賢明ということになりそうだ。 |
|
1964年東京都生まれ。 慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJ証券勤務を経て転身。主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、引いては個人の資産形成、資金運用まで幅広い範囲を分析・研究する。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等の講師を務め、年間の講演回数はおよそ150回前後。 週刊現代「ネットトレードの掟」、イグザミナ「マネーマエストロ養成講座」など、活字メディアの連載執筆、コメント掲載多数。また、数多のWEBサイトで株式、外国為替等のコラム執筆を担当し、株式・外為ストラテジストとしても高い評価を得ている。 |
自由国民社「現代用語の基礎知識」のホームエコノミー欄も執筆担当。 テレビ(テレビ朝日「やじうまプラス」、BS朝日「サンデーオンライン」)やラジオ(毎日放送「鋭ちゃんのあさいちラジオ」)などのレギュラー出演を経て、現在は日経CNBC「マーケットラップ」のレギュラーコメンテータ、フジテレビ「めざましテレビ」、「ほんまでっかニュース」の経済ご意見番などを務める。 |
|
|