今年最大級のIPO「ソフトバンク」
2018年12月19日上場

 ソフトバンクグループ<9984.T>の通信子会社ソフトバンク<9434.T>が2018年12月19日、満を持して東証で新規上場を果たします。国内では歴代最大規模のIPO(新規株式公開)となり、12月相場の一大イベントとしてマーケットの視線が集中しています。発行価格は10日に1500円で決まりました。上場市場は、東証1部となります。上場時の時価総額は7兆円を上回り、全上場銘柄の中でも上位10傑に一気にランクインすることになります。
ソフトバンク IPO

ソフトバンクのIPO情報・スケジュール

ソフトバンクのIPO情報

仮条件 1500円 市場 東証
公開価格 1500円 主幹事 野村證券
単元株数 100株 売出株数 1,603,693,700株
発行済株式 4,787,145,170株 公募株数
事業内容 移動/固定通信事業及びICTソリューション事業の提供

ソフトバンクのIPOスケジュール

仮条件決定日 2018年11月30日
ブックビルディングの期間 2018年12月03日 〜 2018年12月07日
公募価格決定日 2018年12月10日
購入期間 2018年12月11日 〜 2018年12月14日
上場日 2018年12月19日

公開価格1500円で決定(2018年12月10日追記)

 ソフトバンクは12月10日、新規株式公開(IPO)の公開価格を仮条件と同値である1500円とすることを決定しました。これにより、同社の上場時の時価総額は約7兆1800億円となります。資金吸収額は最大で約2兆6460億円です。

落選してもまだチャンスあり、セカンダリー投資(2018年12月7日追記)

 セカンダリー投資とは、初値から上がりそうな銘柄を狙って上場直後に株式を購入する投資手法です。
 ソフトバンク<9434.T>が2018年12月19日に鳴り物入りで東証に上場しますが、個人投資家はセカンダリーでどういう戦略で対処するのが得策といえるのか、これについて考えてみたいと思います。
まず、最大のポイントは配当性向85%のもとで今期(半期)配当は37円50銭を計画、年間換算では仮条件1500円をベースに配当利回り5%という高さです。 ちなみに、時価総額1000億円以上の銘柄で配当利回り5%を超える銘柄はわずか5社しかありません(12月4日現在・証券会社を除く)。
 国内有力証券のマーケットアナリストによると「個人投資家と機関投資家とではスタンスが分かれる」と前置きしながら、個人投資家の立場では中長期保有の有利さを説いています。「通信事業の成長性はそれほど高くなく、今後通信料金の値下げ圧力などを考慮すれば、収益面の伸びが株価を押し上げるという構図は見込みにくい。 しかし、株価の下値リスクも限定的で、知名度も抜群であり株主として安心感がある。インカムゲイン(配当取り)を前提に長く保有するということは選択肢として有力」との見方です。
 また、「初値形成で大きく値を飛ばすこともないかわりに、当初はジリ高歩調で上値追いが期待できるため、上場後比較的短期での売却を目的に買い参戦する作戦も有効」としています。 その際は、小口の買いで目先の押し目を丹念に拾っていくスタンスが良いでしょう。上場後1〜2カ月くらいをメドに買いコストより高い位置で売却するという作戦です。

そもそもソフトバンクとは、なにをやっている会社か

株式投資を既にやっている方だと、「ソフトバンク」と聞くと、毎日のニュースでよく聞く銘柄なので、「ソフトバンクがIPO(新規上場)?」と不思議に聞こえるかもしれません。 実は、いままでよく聞いていた「ソフトバンク<9984.T>」は、正式には「ソフトバンクグループ」のことで、今回上場する皆さんご存知の携帯会社「ソフトバンク<9434.T>」の親会社のことだったのです。 まずは、そんなソフトバンクと親会社ソフトバンクグループの関係性を確認していきましょう。

ソフトバンクグループの事業内容

ソフトバンクグループ<9984.T>は、日本屈指の多業種複合(コングロマリット)企業で、携帯電話事業以外にも、様々な子会社、関連企業が軒を連ねています。 今回は、ソフトバンクグループの細かい事業内容を説明は省略いたしますが、下の図の企業を見るだけでも、様々な事業を抱えた企業ということがわかると思います。  ソフトバンクグループ<9984.T>の通信子会社ソフトバンク<9434.T>が2018年12月19日、満を持して東証で新規上場を果たすことになりました。国内では歴代最大規模のIPO(新規株式公開)となり、12月相場の一大イベントとしてマーケットの視線が集中しそうです。想定売り出し価格は1500円で上場時の時価総額は7兆円を上回り、全上場銘柄の中でも上位10傑に一気にランクインすることになります。
ソフトバンクグループの子会社
ソフトバンクグループの業務内容

最強多業種複合(コングロマリット)の親会社からスピンオフ

 親子上場ということで、これまで企業統治の独立性などを焦点に議論が進められた経緯がありましたが、それも無事クリアして、過去最大のニューフェイスが(おそらく東証1部に)誕生することになります。
 現在、親会社のソフトバンクグループの時価総額は約9兆8400億円。ここ最近の株価の調整で10兆円台は下回ってしまいましたが、それでも全上場企業のなかでトヨタ自動車<7203.T>に次ぐ第2位にランキング(直近、NTTドコモを逆転)されています。
 一方、通信子会社ソフトバンクについては時価総額が7兆2000億円とした場合、ファーストリテイリング<9983.T>を上回り、キーエンス<6861.T>に次ぐ第8位にランクインすることになります。携帯電話事業など通信事業を展開し、18年3月期にはソフトバンクグループの主力事業部門として売上高ベースで3兆2300億円を稼ぎ出した収益力が光ります。今回、新規上場することに伴い経営の独立性確保や資金調達手段の選択肢も広がることになり、そのメリットは大きいといえます 。

ソフトバンクの事業内容
 ソフトバンク<9434.T>の事業内容は、ご存知の通りかもしれませんが、NTTドコモ、auと並ぶ日本の携帯3大キャリアの1つで、日本国内での移動通信サービスの提供、携帯端末の販売、個人顧客を対象としたブロードバンドサービスの提供、法人顧客を対象としたデータ通信や固定電話などの固定通信サービスの提供しています。

 市場シェア率は、23.6%と3大キャリアの中では3番手ですが、下記の2018年第2四半期の決算説明資料からもかわる通り、解約率は過去最低値を記録、契約者数も順調に推移しております。
ソフトバンクシェア率
 また、携帯事業だけだと将来不安、いまは、格安スマホに押されているのではという懸念も持っているかもしれませんが、ソフトバンクは「Y!mobile」という格安携帯も実は展開しており多様なニーズに対応した事業を既に行っております。
マルチブランド戦略
ソフトバンク
大容量データ使用ユーザ向け
ソフトバンクブランドのターゲット戦略
+
Y!モバイル
ライトユーザ向け
Y!モバイルブランドのターゲット戦略
さらに、今後の展開として、通信事業を主軸としながらも「Beyond Carrier戦略」という名の下、ソフトバンクグループが出資している様々な企業と連携し、通信事業以外の新規収益の創出を狙って動いております。
ソフトバンク
大容量データ使用ユーザ向け
ソフトバンクブランドのターゲット戦略
Y!モバイル
ライトユーザ向け
Y!モバイルブランドのターゲット戦略
(2019年3月期 第2四半期決算から引用) https://cdn.group.softbank/corp/set/data/irinfo/presentations/analyst/pdf/2018/investor_20181107_01.pdf

今後の見通し - 抜群の収益力、5Gを背景に他業種との連携で商機も

 ソフトバンクの魅力は何といってもその安定した収益基盤。19年3月期の連結最終利益は前期比5%増の4200億円となる見込み。株主還元にも前向きで連結配当性向85%を目安に株主への配当を行う見通しです。ただし、19年3月期は上場から期末までの期間がわずか3カ月強ということで、期末配当金額は年間想定分の半分程度を目安に1株当たり37円50銭を計画しています。配当利回りに換算すると2.5%になりますが、期間配当利回りで考えた場合は、投資家にとって実質的にかなり有利な内容といえます。また、今後は株主優待に対する期待などもあり、外食産業など他業種との連携も含めて投資家には配当金以外にも楽しみが多く残されているといえそうです。

 携帯電話の通信料は収益基盤としては安定的ながら市場としては飽和状態にあるとの見方も一部にありますが、今後は次世代高速通信規格「5G」の普及が待っており、これによりコネクテッドカーや自動運転車などエレクトロニクス化が進む自動車分野との融合でビジネスチャンスを膨らませる可能性も小さくありません。実際、親会社のソフトバンクグループは、既に自動車業界の盟主トヨタと配車サービスで業務提携するなど、業界の垣根を越えた協業を進めており、今後もこの流れが踏襲されることになるでしょう。  それでは、ソフトバンクの事業と今後の計画を理解したところで、本題のIPO情報を見てみましょう。

IPOの申込みにおすすめな証券会社を紹介!口座開設はお早めに

IPOに申込むためには

 購入したい銘柄のIPOに申し込み可能な証券会社の口座を用意しましょう。 ソフトバンクの申し込み期間は終了しましたが、セカンダリー投資や次のIPOのために口座を準備しておくことをおすすめします。 口座開設の申請をしてから取引可能となるまで数日かかる場合がありますので、早めの準備が重要です。

IPO投資では多くの証券会社から応募して当選確率アップ!

 IPOの当選確率はかなり低く、1年間全てのIPOに応募しても1度も当選しないということも珍しくありません。
そんなIPOでも、複数の証券会社を利用して抽選回数を多くし、当選確率を上げることができます。ここではIPO投資に準備しておくとよい、当サイト厳選証券会社を紹介します。

  • IPOの取扱い銘柄数がトップ水準。主幹事証券を務めることも多く店頭・ネットの両方での取り扱いがあります。ネットに割り当てられる配分は10%ですが、資金量に左右されない平等抽選です。
    幹事数(2017年) 主幹事数(2017年)
    抽選方式
    公式ページ
    74社 15社 100% 平等抽選
  • 主幹事証券を務めたIPO銘柄18社!この18社すべての初値売りのトータルは約284万円となりました。
    幹事数(2017年) 主幹事数(2017年)
    抽選方式
    公式ページ
    85社 18社 60% 抽選:30% IPOチャレンジポイント:10% SBI基準
  • 2021年は56社と 全上場銘柄の半数近くを引き受け。年々実績が増えてきている印象です。
    幹事数(2017年) 主幹事数(2017年)
    抽選方式
    公式ページ
    13社 0社 70% 抽選
  • 主幹事はありませんが割り当て本数は多く, 2021年は3番手IPO証券として有望。人気ポイントは1人1票の平等抽選!
    幹事数(2017年) 主幹事数(2017年)
    抽選方式
    公式ページ
    49社 0社 100% 平等抽選

ソフトバンクの企業情報

会社名 ソフトバンク
会社住所 105-7317 東京都港区東新橋1-9-1
設立日 1986年12月09日
代表者 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮内 謙
公式サイト https://www.softbank.jp/