フォトクリエイト 白砂社長インタビュー

冒頭に触れた、どうして写真が売れるのか?についてよくよく考えてみた。
フォトクリエイトがWeb上で販売する写真は非日常の場面をプロのカメラマンが撮影しているということではないだろうか。
日常はスマホの中にデジタルで保存しておけば十分であるが、非日常は自分にとっての特別な場面である。その特別で大切な場面のスナップショットがグッドタイミングで撮られていれば、印刷して自分の部屋やオフィスの机の上に置きたくなるのは当然だ。
ポイントはプロのカメラマンが、自分たちでは撮れない記念の1枚を撮ってくれていることである。
私の知る某上場会社の会長の部屋にも東京マラソンを完走したゴールの写真が飾ってあった。
おそらくフォトクリエイトで購入したのではないかと推測する。

心豊かなフォトライフを実現するインターネットサービス企業 さあ、この事業の先行きはどうだろうか。
フォトクリエイトが開示している中期事業計画を見ると、2016年6月期の売上が約45億円となっている。前期まで売上の8割強を占めていたインターネット写真サービス事業の割合は65%まで低下し、フォトクラウド事業が大きく伸びる計画である。先にも述べたように、インターネット写真サービス事業は自らがカメラマンを用意して派遣しなければならないが、フォトクラウド事業は全国の写真館や個人事業主のカメラマンが自らの法人顧客を対象に写真を撮り、当社の運営するWebサイトに掲載してくれるため、当社はシステムだけを提供することでビジネスが成り立つことになる。
将来的にフォトクラウド事業が伸びていけば、文字通りのクラウドビジネスとなり、売上に対する利益率も徐々に高まることになるだろう。

では、この事業の規模はどれだけあるのだろうか。会社の試算では、スポーツ関連で46億円、文化関係で42億円、学校写真で458億円、ウェディングで60億円、この4分野の合計で606億円とみている。だというのに当社の3年後の売上計画は45億円とかなり控え目な数字となっている。つい先日決まった2020年の東京オリンピックに向けて日本全国でスポーツイベントが増えることは間違いなく、会社の計画は上ブレ余地があるのではないかと私は見ている。

■業績の推移と計画  (単位:百万円)
決算期
売上高
経常利益
当期利益
2012年6月期(実績)
2,481
130
64
2013年6月期(実績)
2,836
175
102
2014年6月期(計画)
3,230
193
106
2015年6月期(計画)
3,734
218
126
2016年6月期(計画)
4,491
363
211

白砂社長に10年後の姿を聞くと、「自然体でできることを粛々とやっていきます」と大風呂敷を広げることなく、気負いはまったく感じられなかった。ビジネスというものは、意気込むとなかなか数字が上がらないものであるが、出来ることしか出来ない、と考えていると、意外とうまくいったりするものである。写真撮影という労働集約ビジネスをクラウドビジネスに転換することに成功したわけだが、2020年の東京オリンピックに向けて、全国で非日常のイベントがこれからどんどん開催されることになりフォトクリエイトには完全な追い風が吹いているといえる。
とっても控えめな中期計画以上の結果が出ることを期待したい。

■企業データ:株式会社フォトクリエイト
証券コード
6075
ホームページ
http://www.photocreate.co.jp/
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東京IPO 事務局
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マネーキャスター小原隆子の香港ジャーナル