
日本有数のデイトレーダーであるジェイコム男ことBNF氏が、東京・秋葉原で商業ビルを170億円で購入したという一報は触れた。ただ、取材の過程で出てくる話では疑問や謎も多く残る。まず最大の謎は170 億円という金額。いくらなんでも高すぎるという声が大勢を占めるのだ。
■価格は08年購入のビルの約2倍
「AKIBAカルチャーZONE」。JR秋葉原駅から徒歩3分、秋葉原のメーンストリートである中央通りから少し西に行った表通り沿いにある、地上6階、地下2階建てで、敷地面積は約800平方メートルのこの商業ビル。これこそが、日本有数のデイトレーダーであるBNF氏が購入したビルだ。
登記簿によれば価格は最大で170億円で、今年2月に現金一括払い。先に購入したビルと合わせて、駅前に2件の商業ビルを所有したことになる。先に購入した10階建てのビルは、リーマンショック直後の08年秋だったためか90億円。この2つを比べても明らかに割高といっても良いだろう。
「明らかにボラれていると思いますよ。売った方は今頃、豪遊しているんじゃないですか」と、話すのは秋葉原に数件の不動産を持つオーナーだ。
■適正価格の2倍〜3倍
BNF氏ほどの投資の達人が、相場の動向を見誤るということがあるのだろうか?
秋葉原の事情を知る不動産業者、不動産投資家の声を総合すると、適正な価格レンジは下が50億、上が80億円だと思われる。個人投資家で買うレベルの物件でないことだけは確かだが、何か理由がありそうだ。
ある不動産業者は「震災の前は中国人や香港人もかなり物色をしていたから、競り合った可能性もある。それにしても高いけど」と話す。現在は中国企業の傘下となった家電量販店ラオックスも、かつてはBNF氏が購入したビルに軒を構えており、そうした安心感から競ってきた可能性も考えられる。
さらに「ちょっとしたバブル状態でしたね」(別の不動産業者)との声もあった。「そこはやめといた方が、というビルも買い手がついていたり…」という。
ただし震災以降は、外国人のバイヤーはさっぱりいないのだという。もし、今ならもっと安く買えたかもしれない。
もしも、そこまで競り合ったとしたのなら、どうしても欲しいという強烈な動機があったと考えるのが自然だろう。
■秋葉原で実業家に転身?
BNF氏は過去の様々なメディアのインタビューでは、秋葉原には特別な思い入れがあるということを答えている。
BNF氏が今回購入したビル「AKIBAカルチャーズZONE」の周囲は、グッズ販売店、パソコンの部品店、メイド喫茶、リフレクソロジーなどのメイドさんがサービスを提供する店舗など良い意味で秋葉原らしい店が多い場所でもある。秋葉原のたたずまいや空気を色濃く残す感じを気に入ったのではないだろうか。
ビルはその後、改修工事が行われて最近リニューアルし、1、2階には書店がテナントとして入居した。BNF氏が本人名義でお花を出すなど、実業家らしい一面を見せてもいる。
関係者によると「6階にも店舗が入る予定で現在は工事中です」という。空いているフロアーも水回り設備などの工事を行っているそうだ。
「秋葉原に自分で店舗を出すためにビルを買ったのでは」という声も地元では出ている。つまり『実業家』ということだ。秋葉原名物となった「AKB48劇場」のような劇場を持つこともできるのだ。
そして、もうひとつ挙がっている声としては「節税対策では」というもの。08年のビル購入時は資産200億円と言われており、計算上はさらに資産を大幅に増加させていることになる。
結局何のためだったのか、BNF氏本人に真相を聞くべく、連絡を試みたが応答はなかった。
謎が多く残るビル買収劇。これは、まだまだプロローグなのか。
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