有名芸能プロダクション「イエローキャブ」の帯刀孝則社長の急死は、芸能プロが抱える苦悩を現したものとの見方が強い。「店仕舞いしたいと話している社長もいる」と芸能関係者。小池栄子さんら有名タレントを抱えるものの、厳しい現状が浮かび上がってくる。
■AKB48のおかげで仕事がない?
小池栄子さん、佐藤江梨子さんという稼ぎ頭を2人も抱え、中小のプロダクションから見れば羨むような布陣だったイエローキャブ。2009年にはスポンサー企業とたもとを分かったとされ、約2億円の赤字に転落した。その後は持ち直してはいたが、依然として厳しい状態は続いていたと言われていた。
警察は遺書もあったとしており、また業界でも経営難を苦に自殺した、という見方が多い。
今回、亡くなった帯刀社長は構成作家出身。名物社長の野田義治氏が独立した後を受けて社長となった。しかし、評判については「野田社長は面倒見が良くて表にどんどん出てトップ営業をこなすタイプですが、帯刀さんはあまり表に出てこないタイプなのか、評判は正直あまり聞きません」(芸能プロ関係者)という。
「内情は詳しくはわかりませんが、出演料は下がっていることは間違いないでしょうし、女性タレントはAKB48に仕事を奪われています。そうなると、キャスティング力を持つか、もしくは別の稼ぎ口を持っていなければ、事務所経営はなかなか厳しいのではないでしょうか」(中堅プロ社長)という。
女性アイドルはAKB48にほぼ仕事を奪われている現状であり、実はこれは、恩恵を受けていない芸能プロの悩みでもあるのだ。キャスティング力という言葉が出てくるが、業界的の中でその力を持っていなければ、なかなか仕事にはありつけない。
■別事業で稼ぐ事務所も
そうした中で、皮肉にもここ最近でよく取り上げられる話題としては、看板タレント小池さんの移籍というものだった。もし移籍が実現すれば事務所は一気に傾いてしまうが、実際にはまとまってはいない。
また、関係者によると、イエローキャブは新規事業を行おうと、投資家から資金を募っていた時期もあったという。しかし、この事業がその後、新たな収益源になったという話は聞かない。
前出の中堅プロ社長は「芸能プロの大事な収益源であるスクール持っているところも、生徒は減っています。不動産投資や飲食事業をやっていたりする事務所もありますし、給与を増やしてやれないので、タレントはもちろん、スタッフにもアルバイトを黙認しているところもあります」と現状を説明する。
イエローキャブは今後、小池さん、佐藤さんの独立、さらには野田氏のサンズとまとまるなど諸説あるが、方向性は見えてこない。
誰かが浮かぶと、他の誰かが沈むというゼロサムゲームが繰り広げられている芸能界。萎んでいくパイを奪い合う構図は相変わらずだが、それは同時に再編しない古い業界であることも示している。
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