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2011/12/5
最終回。感想とこれからと
運用会社日本株トレーダー 鰊


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アジアの民主国で最後の証券取引所が開設
■カンボジアIPO上場株ファンド http://cambodiafund.jp/

− 2011年7月11日、カンボジア証券取引所オープン

私は中華圏やベトナムなどで永らく仕事をしてきましたが、カンボジアとは全く縁がありませんでした。しかし、ある人の勧めがあって2年前に初めてカンボジアに行く機会ができました。

カンボジアのイメージはやはり内戦や貧困といったものばかりでしたが、実際に行ってみると、街はきれいで、食べ物はおいしく、人々は明るく勤勉で、それまで持っていた暗いイメージはすぐになくなりました。

− 成長を続けるカンボジア経済

そして、民主的な政治は安定しており、何と言っても著しい経済成長が魅力的でした。産業は依然農業が大きいのですが、外資系製造業が拠点を移してきており、世界遺産アンコールワットには多くの外国人観光客が押し寄せてきているのです。こんな好条件が重なるカンボジアで株式市場が始まるというのですから、飛びつかない訳にはいきませんでした。

それから私はほぼ毎月のようにカンボジアに通い、証券制度の制定やファンダメンタルズの状況を把握するよう努めました。主な訪問先は規制当局であるカンボジア証券取引委員会、上場予定企業、現地証券会社です。

とりわけ、引受業務から当局への助言まで積極的に取り組む韓国系のトンヤン証券カンボジアとは懇意にさせて頂いています。また、私どもは日系で引受業務を行うSBIプノンペン証券とも対話を始めております。上場予定の国営企業3社のうち、2社はトンヤンを引受証券会社に選びましたが、残る1社はSBIを選定したからです。

ちなみに、我々の地道な活動が評価されたのか、7月11日に開催されたカンボジア証券取引所の開設式には私がVIPとして招待されました。

− ベトナムやラオスの驚きのパフォーマンス

ところで、やはり気になるのが株価のパフォーマンスがどうなるかです。このコラムの読者のなかには、2000年代前半に日本のIPO株のパフォーマンスがすこぶる良かったことをご記憶の方も多いかと存じます。こうした方々は、カンボジアで最初のIPO銘柄に是非注目してみてください。

我々は、同じインドシナのベトナムとラオスが大変良い参考になると考えています。ホーチミン証券取引所では2000年7月の開設後11カ月で株価は6倍近くに跳ね上がり、今年1月に開設したラオス証券取引所では当初の3週間で株価は倍近くに急騰しました。過去の例が当てはまるとは限りませんが、カンボジアはベトナムやラオスと比べても外国人が参加し易い制度を制定しておりますので、我々は人気化する可能性は十分高いとみております。

ベトナムVN指数の推移
ラオス総合指数の推移

− カンボジアのIPO株に投資するには?

ではどうすればカンボジアのIPO株に投資できるのか、これも気になるところですね。個人が現地に行って証券会社などの口座を開いて取引を始めることは可能です。ただ、まだ制度がはっきり固まっていないのですが、現地で複数の金融機関と何度か書類のやり取りをしなければならないことは確かなようです。

また、肝心のIPO株の割当が十分あるのか、確証は持ちづらいですね。ちなみに、トンヤンは個人投資家とは直接取引をしないそうで、リテール向けは提携証券会社に任せるようです。従いまして、個人でカンボジアのIPO株に投資するには、相当の時間と労力を割く必要がありそうです。

− 2011年秋、初のIPO

アジアの民主国で最後の証券取引所と言われるカンボジア証券取引所で、今年の秋以降に新規上場とその後の株式の売買が始まります。ご案内しております専用のウェブサイトで私どもの取り組みが詳細に記載されておりますので、是非一度ご覧頂ければと思います。

■カンボジアIPO上場株ファンド http://cambodiafund.jp/

アセットデザイン株式会社
アジア新興国担当ディレクター 高橋 守

【プロフィール】
1954年生まれ。一橋大学社会学部卒業後、川崎重工、JAFCOを経て住友信託銀行にてインベストメントバンキング・国際業務に従事し香港・台湾に通算10年近く駐在。英語、中国語、広東語、スペイン語に通じる。台湾、香港、シンガポール等華僑に幅広い交流を持つ。国際金融、べンチャー投資、不動産投資、不動産ファンド等広範な知識と実務経験の持ち主。著書:『人民元で大儲け』(あさ出版)、『華僑に学ぶ お金の哲学、投資のルール』(あさ出版)、『インド株で大儲け』(あさ出版)、『ストップTHEベトナム』(ブイツーソリューション、星雲社)。



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