IPO最新情報や西堀編集長のIPOレポート、FXストラテジストによる連載コラム、コモディティウィークリーレポートなど、今話題の様々な金融商品をタイムリーにご紹介するほか、資産運用フェア、IRセミナーのご案内など情報満載でお届けしています。
|
|
|
|
日本人にとって8月は夏休みの時。私も「休むも相場」と、マーケットから離れ日本で休みをとってきました。マーケット情報も相場終了後のサマリーをモバイルPCでみるだけにして、しばし頭と心の切り替えをし、その間このコラムも休ませてもらいました。
私の休み前に200日移動平均をブレイクしたNYダウはその後も一気にかけあがり、また、先日の雇用統計発表では7月の失業率が9.4%と前月から0.1%改善し雇用悪化のペースが鈍化したことからダウは9370ドルまで上げました。今日時点では9241ドルまで下げたとはいえ、マーケットは私の休みをあざけ笑っているかのようなレベルになっています。
目先はFOMCのスタンスに注目すべきですが、前向きな指標もいくつか出てきているとはいえ実体経済に大きな牽引力はなく、市場に悪影響を与えるような方針転換はないものとみられます。
さて、帰ってきて早々こちらではヘルスケアリフォーム(医療保険改革)の議論が賑やかです。
オバマ政権の医療保険改革の是非をめぐって各地のタウンミーティングで賛否の熱い議論が繰り広げられています。医療保険制度は民間に任せるべきだとする共和党支持者と、無保険者を放っておくべきではなく今こそ新制度構築が必要だとする大統領支持層との間で、時には憲法論議まで交えて、詳細かつ激しいやり取りが行われています。
日本では総選挙を前にマニフェストで各党のカラーを打ち出した戦いが始まっていますが、政権交代が実現するかどうかというこの局面においても、まだまだ議論の熱さがもの足りません。
政策の詳細は官僚が作ってくれる、大まかなところさえわかればあとは優秀な彼らに任せておけばよい、というような官僚依存の政治家が多い日本では議論も皮相的なものに留まり、タウンミーティングで問題意識の高い市民に政治家が深い議論で応じることは不可能でしょう。
米国議会に提出された医療保険改革法案はおそらく千ページにも及ぶ大部なものでしょう。もちろん議員が全てに関与するのではなくサポートチームが詳細を作成するわけですが、多くの議員は、その内容を自ら理解してわかりやすく説明しようとする責任と自覚を持っているようです。
答弁者の後ろに控え説明の耳打ちをする官僚は日本の国会の見慣れたシーンですが、そんな黒子がいないこちらでは、賛成か反対かを問わず詳細な議論について行くためには、関係議員は真剣に政策を理解しておく必要があります。確たる意見を言えずその場しのぎで答え、あとで発言を修正するようなことでは、議員として生き残っていけません。
米国の議員が全て優秀だとはいいませんが、マニフェストの見出しだけを触っているような日本の総選挙立候補者を見ていると、日本の政治家の頼りなさを助長したのは実は優秀な官僚の存在だったのではないか、と思ってしまいます。
国のために官僚を使いこなし、魂のこもった政策を自ら打ち出していけるような議員がより多く選出される日本になることを心待ちにしているのは私だけでしょうか。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
|
米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
|
|
|