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先週は夏休みでからっぽの頭をマーケットに戻す努力をした1週間でした。週明けに下げた株式市場も今日は上昇に転じNYダウは82.60ドル上げて取引を終えました。DIYのホームデポやディスカウントストアのターゲットの四半期決算が市場予想を上回ったのに好反応したようです。どちらの店も閑散としているという印象なのですが、店が広いからそう思うのでしょう。
さて、米国では株式だけでなく債券やローンの動きを見ても「投資資金が投資先を求めて蠢いている」という感じがします。機関投資家だけでなく年初は影をひそめていた大型ヘッジファンドも動き出したようで、経済回復を前提に積極的に投資資金を配分しているようです。
ただ、潤沢な流動性を背景に「投資が投資を呼ぶ」という好循環が本格化し高い失業率をよそに市場が一人歩きするような勢いとなるのかどうか、まだ良く見る必要はあります。
さて、前回も書きましたが、米国の医療保険改革に関する各地のタウンミーティングは混迷を極めています。医療保険を国家に強要されるのは御免だと共和党支持者など反対派は多く、このままでは、法案は成立しそうにない雰囲気です。
今朝もラジオで法案成立を危ぶむ弱気なコメントをする上院議員がいるので誰かと思えば、バイデン副大統領でした。一連のタウンミーティングでの反論の嵐が相当こたえているようです。
就任以来、景気対策、金融危機対策、自動車産業救済策と、まるで企業のCEOのように矢継ぎ早に政府主導の大型対策を導入してきたオバマ大統領も、さすがに今回は思惑通りには行かず壁にぶち当たっています。
これら一連の政策によって財政赤字が大きく膨らむという警戒感が強い抵抗を招くひとつの理由ですが、「医療のような個人的な重要事は国家に関わられたくない」という考え方が根本にあるのも大きな要素でしょう。
国が医療保険制度を作っても生産性は低く非効率なだけでそのようなサービスは民間が担うべきだという民間重視の考え方がある一方、医療のような人間としての本質的安心に関わる事こそ、競争によって不安定になりがちな民間企業に頼らず、国家が安定したサービスを提供するべきだというのが、医療保険改革派の思想です。
今問題になっているもうひとつのケースを見てみましょう。オバマ政策として導入された「自動車買い替えプログラム」、低燃費の古い自動車を買い替えれば政府が3500から4500ドルを補助するという自動車産業支援策で、フォードやGMはおかげで一時的に操業が忙しくなっているようですが、この補助金の精算作業がほとんど進んでいないことが明らかになりました。
政府補助金相当を値引きした自動車ディーラーが精算書類を提出し請求しても入金がなされない状況が続いており、精算作業が滞っているのは「精算事務を行うコンピューターシステムが未だ完全に立ち上がっていないから」だと判りました。民間企業ではあり得ない話です。
「民間」か「国」か、米国では医療保険改革をめぐって、日本の郵政民営化以上の激論が当面続きそうです。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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