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今週はオバマ大統領がマサチューセッツ州の高級保養地マーサズ・ビンヤード島で初めての夏休みで政治的に静かな中、ケネディ元大統領の弟で上院議員のテッドケネディ氏が77歳で亡くなったという発表がありました。オバマ大統領の大物支援者の一人として存在感があったうえ、大統領休暇地のマーサズ・ビンヤード島はケネディ家因縁の場所(JFKの長男が沖合で飛行機事故で死亡)でもあり、オバマ大統領は複雑な思いで休暇を過ごしていることでしょう。
さて、9月も目前、一連の金融危機が始まったリーマンショックから1年が経ちました。去年のこの週のニュースを見てみると、「リーマンの韓国開発銀行による買収は実現せず」、「金融機関の信用保証コスト(CDS)が上昇」という記事があり、今あらためて読んでみると金融危機が静かに忍び寄っていたことがわかります。
しかし、去年の今週時点では、いわゆる恐怖指数(VIX)は現状とほぼ同じの相対的に低いレベルで、あのような恐怖の金融市場崩壊が起こるとは、正直予想していませんでした。
また、おもしろい記事もありました。昨年8月28日の日経朝刊の「天才数学者が見たバブル」で、天才数学者で有名投資家のエド・ソープ博士と会った記者の感想コラムです。ソープ氏は「大きくなり過ぎたマーケットでは利益は積上げられないので投資運用からは引退した。資金管理を徹底するという成功の真髄が維持できない。」というものでした。
金融大崩壊の直前にそんな警鐘を鳴らす記事があったのです。
この記事によれば、ブラックジャック必勝戦略についての著書もあるソープ博士の投資手法の極意は「残りカードの状況から勝算を推測、カジノのディーラーより不利な時は賭け金を最小に抑え、1%有利なら二倍、5%以上有利なら十倍に賭け金を調整する」点にあるとしています。
金融危機以降矢継ぎ早に打たれてきた政策のおかげで経済の崩壊感は消えましたが、政府の景気刺激策には出しつくし感もあり、まさに政府としての残りのカードは限られています。
また、貴重なカードとして切った「新車販売政府助成金」も、利用されたトップ車種は、カローラ、シビック、そしてカムリと、日本勢にとっての追い風とはなったものの米国自動車メーカーは大きな恩恵を受けかったという皮肉な結果で予算を消化し、早くも終了してしまいました。
NYダウ9500ドル台、S&P500は1000ドル台と、切りのいいところを維持している米国の株式市場ですが市場参加者が戻ってくる9月頭のレーバーデー以降、相場展開はどのようになるのか判断は難しいところです。
株式市場は政府の切ったカードによる効果を期待してここまで踏み上げてきましたが、「残りカードが限られてきた」のが見えた時点で、手仕舞いムードが高まるリスクがあるのではないかと懸念しています。
現状がにわかミニバブルのように見え相場が急反転する怖さを感じてしまうのは、私にこの1年間の恐怖体験のトラウマが残っているからなのでしょうか。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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