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金融危機から1年、9月に入るとやはり去年の悪夢が頭をよぎります。市場参加者の脳裏にも同じトラウマがあるのか、今日の米国株式は金融銘柄を中心に売られ、NYダウの終値は9310.60ドルと、185.68ドルも下げました。米サプライ管理協会発表の8月の製造業景況指数が約1年半ぶりに好不況の分岐点である50を超えるなど、良い指標が確認されたにも関らず利益確定の売りが強い1日でした。
でも、今までとは違った動きもみられるようになってきました。
ご存知の通り、昨日、ウォルト・ディズニーはコミック出版大手のマーベル・エンターテインメントを約3700億円で買うという大型買収を発表しました。マーベルの人気漫画キャラクターは5000以上もあり、これらの映画化やグッズ販売による利益獲得をねらっているようです。
また、今日は、オンラインオークション最大手のイーベイが、インターネット電話の「スカイプ」の65%を投資家グループに約1800億円で売却することを発表、1400億円もの損失の元凶で相乗効果の少ない非戦略事業が整理されました。
我々インベストメントバンカーのビジネスがようやく増えそうだという個人的事情はさておき、企業買収(M&A)が少しずつ活発化しつつあることは、米国ビジネスの新陳代謝を促す経済活性化の兆候として良いことだといえます。また、買収に投下される投資家の長期性資金や、これをサポートする銀行の貸し出し資金も循環し始めたことの表れでもあるでしょう。
金融危機以降凍り付いていたマネーが融け始める動きが続けば、今後の経済回復が加速化する可能性も見えるでしょう。なにせ、「金」が「融け」ないことには、文字どおり「金融」とはいえませんから。
ディズニーやイーベイのように、企業のマインドも金融危機後の危機管理モードから事業再構築モードに移りつつあるということは、新たな株主価値の創造につながる企業の動きとして株式市場参加者も評価すべきでしょう。
実際、そんな企業の動きによって我々も忙しくなってきました。
昨日はこのような企業再編のビジネス機会を捉えようと、一日でいくつかの州をまたいで飛び回っていました。航空会社の定期便ではどうしても予定をこなせないため、昨日は、機内で打ち合わせもできて効率的なビジネスジェットをチャーターしました。
着陸時にNYマンハッタンの金色に輝く夜中の夜景を眺めながら、この経済回復基調が続くよう思わず心の中で祈ったのですが、なんと一夜あけたら今日はこの下げ相場。まだ不安定です。
日本の経済回復のためにも米国のリスクマネーの力強い復活が待たれています。そのためにも、景気刺激のツメの一手としての政策を米国が打つのか、打たないのか、良い指標が出てきたことで何もカードが切られないようでは、日本経済に光明が見える日は遠いかも知れません。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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