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景気回復が本格的なものとなるかどうか決め手となる材料がなく米国株式は小康状態ですが、それでもNYダウで9400ドル台、S&Pで1000ドル台は守っています。ここから先、大きく上げるには、ビッグサプライズが必要でしょう。
振り返れば、去年の9月8日は破綻一週間前のリーマン株価が急落した日でした。「地球最後の日」ともいわれたその後の市場崩壊を思えば、ここまでよく回復したものだと思います。
さて、今日は米国の全学校にオバマ大統領のメッセージがビデオ配信されました。州によって異なりますがワシントンDCなど学校の新学期始日にあわせて、オバマ大統領は学生、生徒向けのスピーチを発信すると発表していました。
その発表以降、全米各地で様々な議論が行われました。
教育の現場に連邦政府が踏み込むべきではない、生徒、児童に対して洗脳するのは受け入れ難い、子どもに大統領メッセージを拒否して教室から退室する権利を認めるべきだ、などと議論百出で、特に共和党勢力が強いテキサス州などでは、新聞、ラジオ、テレビとあらゆるメディア総出で反対の狼煙を上げていたようです。
私の息子も学校からレターを持って帰ってきました。いわく、「学校は大統領メッセージを正式課程の一環としては位置付けてはいない。この書面に親がサインすれば、当該時間帯その子どもには自習を認める」と。
私はサインをせずに、「オバマ大統領がどんなことを言ったか聞いて教えて欲しい」と子どもに頼みました。
大統領のスピーチはすでにウェブにも掲載されているのでこれを聞きましたが、政治的なメッセージは全くなく、「自分も夫人も子どもの頃は勉強したくても恵まれた環境ではなかった。登校拒否や自主退学はもってのほか、それは自分だけでなく国家にとっても損失なのだ」という内容でした。中には、「テレビやゲームに張り付かず、時間を大事にして欲しい」という語りもありました。
いわば、オバマ版「学問のすゝめ」ともいうべき内容でした。諭吉翁は米国の独立宣言を意識してその書を著したことを思えば当然のトーンですが、オバマメッセージには「この国を建て直し、さらに強く豊かな国力をつけて行きたい、その基本が教育なのだ」という思いがこめられていたように思います。
政治の議論が高まっているヘルスケア、経済、金融、環境など、社会的システムのあらゆる面で、新たな一手や変革が必要になっている米国。他の地域の情勢だけに深く関わっていられる状況ではなくなってきました。
米国の独立宣言の根本に立ち返ってどんな国造りをしていくのか。多様な意見を許容するのは当然としても、米国としてぶれない軸はどこにおくべきか、子どもたちに語ることで大統領はそれを示したかったのかもしれません。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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