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リーマン・ブラザーズ破綻1周年、去年のあの恐怖が脳裏に焼きついて離れないのですがNY株式市場ではこんな恐れを振り払うかのように幅広く買いが進み、NYダウは9683.41ドルと、なんと約11ヶ月ぶりの最高値で引けました。
買い材料としては8月の小売売上高が市場予想を超える伸びとなったことがあるようですが、政府が実施した新車買い替え購入補助金などによるにわか効果である公算が高く、個人消費が本当に力強く回復しているわけではないことが明らかになれば市場は失望売りに転じる可能性も高くなっています。
TIME誌の特集記事では、「失業率は高いうえに、たとえ仕事があっても労働の質や賃金のレベルが低下、借金の支払いに迫られている米国の家庭は悲惨な窮状にある」とし、実際の涙ながらの物語が多く掲載されています。
今日は大手企業株が幅広く買われましたが、TIME誌が指摘しているような現実を踏まえれば個人消費の回復期待が早晩しぼむ可能性もあり、企業業績回復の持続性は良く見極める必要があります。
さて、TIME誌で他にもおもしろい記事を見つけました。
ユタ州は、州の役所の業務を試験的に週休3日制つまり金土日を休みにしているというのです。
月曜日から木曜日は、朝7時から夕方6時まで役所の業務を行うというもので、昼食休憩を除いて、1日10時間労働を4日間行い、週40時間の労働時間であることには変わりありません。
一番大きな効果は、通勤が一日減り、このためのガソリン代などが削減できるということです。同記事によれば、エネルギーコストは13%削減されると測定されており、CO2の削減効果も年間1万2千トン程度期待できるとしています。
また、利用者からすれば出社前後に役所に寄ることができるというメリットもあります。
結果としては、10時間4日勤務制を試験的に体験したユタ州職員の約82%の人が本格的な制度の導入を希望しているという好反応ぶりだということで、通勤のつらさを毎日我慢し時には事故や車両故障で地獄のような苦痛を強いられている日本のサラリーマンには、通勤が4日で済むこの制度には思わず納得できるものがあるのではないでしょうか。
大きな経済成長のために一生懸命に働くというカタチを変えて、金曜から日曜までゆっくりと自分がやりたいことに取り組み人生を楽しむ、というスローライフも悪くないのかも知れません。
「ワーク・ライフ・バランス」という言葉は日本の職場でも良く聞くようになりましたが、不況ゆえのワークシェアリングという発想ではなく、低成長経済を前提とした成熟社会でのこれからの幸せな生き方とは何なのか、今や既成概念を変えて見直すべき時なのでしょう。
金融危機は米国社会のチェンジの契機になるはずだという基本的視点から見れば、ユタ州でのこのような小さな動きも無視できないのではないか、と考えています。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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