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米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2009年10月14日(水)
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ニューヨーク株式は、大手米銀JPモルガン・チェースの好決算発表で買いが進み、ダウは144.80ドルも上げ、ついに大台の10,000ドルを超えて10,015.86ドルになりました。

今後、銀行の決算発表が本格化しますが、景気回復はまだ入り口で雇用環境の改善につながっていない状況の中、不良債権が増加し苦境にある銀行も多いだろうという懸念もあります。ただし、半導体大手のインテルが昨日発表した決算は市場予想を上回りパソコンや携帯電話の需要の伸びが確認されたことから、ハイテク関連企業の業績は期待できるだろうとの見方もあります。

先日、ハイテク関連企業に取引が多い米国企業の方とロスでランチを食べながら話す機会がありましたが、防衛、航空、宇宙関連企業からの受注が少しずつ増え、半導体関連の企業の動きも活発化する兆しが見えてきたという話でした。個人消費の本格的回復や金融機関の不良債権問題はまだ道半ばながらも、確かに、ハイテク関連等には前向きな動きはでてきているようです。

さて、先日、サンタモニカでおもしろい集まりをのぞく機会がありました。

あるボイランティア団体の年次総会の夕食会です。この団体では、恵まれない家庭の優秀な子供達を援助する活動をしています。このような援助団体は全米で数多とありますが、このグループの特色は、特に、飛行機の操縦やメンテナンスなど、将来的に航空業界で働くことに真剣な関心を持っている子供たちの教育支援をしていることです。

例えば、飛行機の操縦に強い興味がある子供にセスナに同乗させて体験飛行をさせるための飛行機の提供や費用負担を行い、また、大きな支援の例では、航空関連の知識を学習したい学生に、航空専門学校への通学費用を援助するなど、子供の成長意欲を「空」で実現することにつなげるための幅広い支援活動が展開されています。

この夕食会の出席メンバーをみて驚きました。パイロット免許も持つ有名映画俳優、自家用機を自ら操縦して飛び回る有名企業トップ、あわやの大事故を回避した名パイロットなど、単なるセレブの集まりというよりは、空に関連する大物がよくぞこれほど集まった、という会合でした。

こちらでは、ビジネスで名をあげた高額所得者は、仕事だけでなく熱心にボランティア活動に関与します。単に資金を援助するだけでなく、支援活動の企画や実行に自ら汗をかいています。例えばこの会では、パイロット育成学習の育英金支給者に実際に面談を行うなど、人任せというわけではないようです。

ガレージで立ち上げた会社を一生懸命に働いて上場にまでこぎつけたような成功者の報酬は、大リーガーの年俸とは比較できないほどの大きなものです。これを恵まれない人々に施すのはあたりまえとはいえ、こちらでは、税務上の寄付控除目当てで「単に寄付をすればいい」という考え方ではなく、自分の支援が「どんな社会的意義があり、社会の将来にどうつながるのか」と主体的に考えて、支援を実行することに重きをおいている人が多いようです。

社会の成功者が自らの社会的責務として教育支援に主体的に関る、そんな熱い思いをこの参加者から感じ、政府のセーフティーネットとは違った「高額所得者の所得の社会的再分配のひとつの形」とはこういうものなのだと、サンタモニカの風に吹かれながら考えたひとときでした。


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/

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