IPO最新情報や西堀編集長のIPOレポート、FXストラテジストによる連載コラム、コモディティウィークリーレポートなど、今話題の様々な金融商品をタイムリーにご紹介するほか、資産運用フェア、IRセミナーのご案内など情報満載でお届けしています。
|
|
|
|
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
北米では、年明け後も寒さが厳しい毎日が続いていますが、マーケットは活気ある幕開けとなりました。2日目は、11月の中古住宅販売仮契約指数が急低下し住宅不況が嫌気されてNYダウは反落しましたが、それでも10,500ドルを上回って推移しています。
休み中に、コロラドのスキーリゾートを覘いてみましたが、前年とは全く様相が変わってゴンドラも長蛇の列の混雑で、ゲレンデまで徒歩圏のホテルの部屋は、一泊最低10万円からと、とても盛況でした。このようなリゾートは別としても、全米的には、クリスマス、年末商戦は昨年実績を上回ったのではないかという集計予測もあって、最悪期は脱したという感はあります。
さて、今年一年、アメリカはどのような年になるのでしょうか?
いろんな人と議論しましたが、共通した基本的な見方としては、「まずは、この景気回復基調は持続するだろう」というものです。金融市場が再び崩壊する恐怖のシナリオリスクは小さくなり、実体経済も、その回復スピードは遅いながらも、失速をすることはないだろう、という感触です。
正月ですので、いろはかるた風にプラスマイナスの要点を整理してみましょう。
まず、マイナス材料は、(い)「いつまでも長期化しそうな失業問題」、そして、それによって、(ろ)「ロングタームと、覚悟が必要な個人消費回復」の主に2枚。
一方、プラス材料は、(は)「はっきりと進んだ在庫調整や輸出に支えられて生産回復期待が高い」、という1枚でしょうか。
また、念頭に置くべき懸念材料としては、(に)「にても食えないほど劣化した商業用不動産ローンと中小金融機関の破綻懸念」がありますし、また、政治的には、(ほ)「ほっとしていると政治的権勢の足元がすくわれる中間選挙」というのが、後半の混乱要因でしょう。
今年の米国の手札としては、(は)のカードの強みが、他の4枚の札の弱みを上回り2番底を打つリスクは少なく、(へ)「へい調に推移しそうな米国経済」、という展望が描けます。
また、(と)「とうし、特に設備投資が伸びれば、さらにプラス」となって、それが後半以降であれば、民主党にとっては、中間選挙への追い風となる楽観的なシナリオとなりますが、(い)(ろ)(に)の問題が大きくなれば、逆に、民主党は中間選挙を逆風の中で戦わなければならないことになります。
ここまで回復のための政策エンジンを吹かしたために米国の財政問題を大きくしているという難題は抱えているとはいえ、景気回復の糸口が見えないまま、所得分配論だけで景気拡大策もなく政治的混乱度だけが深まっている日本よりは、展望は明るいと言えます。
こういう状況なのに、どうして、日本の年頭所感では、抜本的な成長志向とそのための対応姿勢が出てこないのか、とても残念です。日本には、虎のような勢いの復活を期待したいものです。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
|
米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
|
|
|