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先週から米国内を出張で移動していますが、今年はどこも寒さはひとしおでなかなかの厳しさです。マーケットも年明けの順調さは影を潜めて反落、NYダウは10,200ドルを下回る水準まで下げて、さらに寒さが身にしみる毎日です。
この下げ相場の背景には、ここにきて露呈してきた政治的な混乱状況があります。オバマ大統領就任後1年、新大統領に対する世間からの信任にも揺らぎが生じつつあるように感じます。アフガニスタン派兵増強問題、ヘルスケア法案審議における政治的難航、そして年末に発生した航空機テロ未遂事件など、大統領にとって大きな難題が続いてきましたが、そこにさらに大きな打撃が加わりました。
マサチューセッツ州の上院議員補欠選挙での敗北です。
エドワード・ケネディ議員が長年議席を確保して民主党の強固な地盤だった州で敗北を喫したことは、民主党にとって非常に大きなショックです。また、上院で安定多数を割り込む事態となったことは、ヘルスケア一本化法案の承認など、今後の議会運営に対してとても大きな問題を抱えることになったといえます。
自らに対する厳しい民意を汲み取っての人気対策なのか、オバマ大統領は、金融機関に対する姿勢の厳しさをさかんにアピールしています。金融機関の自己勘定投資に対する規制などを発表しましたが、当然ながら市場はこれを嫌気して下げムードをさらに強めてしまいました。
さらには、バーナンキFRB議長の再任反対論が強まるという事態も起こって、今まで1年間の反動なのか、ここにきて相当な逆風が吹き荒れています。
ボラティリティー指数も上昇しており、ここは、警戒感を持つべき状況なのかも知れません。
金融危機以降、相当な政治力でここまでの回復路線が導かれてきました。そのおかげで、このような牽引力がなかった日本とは比べようもないほどの回復ぶりをみせてきましたが、年末以降の相次ぐ混迷ぶりは、政治力というエンジンも限界に達してきたということなのかもしれません。
「官」の力に替わって、今後は「民」の実力が盛り上がるか?
失業率も高止まりし、銀行などから消費者に対する信用供与も伸びない現状では、消費の伸びも期待できそうにありません。逆に、消費者は、借入の返済や貯蓄に努めるためにできるだけ支出を抑えるというライフスタイルに変わりつつあります。また、中国が急激な経済拡大をコントロールする動きをとり始めて、輸出産業の中国頼みにも限界が見えてきました。
年の始めの私の「かるた占い」では、政治力の限界が露呈すれば、それは景気にもマイナス材料だと占っていましたが、それは中間選挙の頃を念頭においたものでした。しかし、それが早くも、マサチューセッツ州の上院議員補欠選挙での敗北という形で勃発してしまいました。
早くも潮目は変わってきているのかもしれません。
ここ当面は、不安定な政治と経済を両睨みしてマーケットを注視すべき状況となりそうです。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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