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ギリシャ問題などヨーロッパの不安材料に引っ張られ10,000ドルを割り込んだNYダウですが、火曜日の取引を終えた時点では10,000ドルの大台を維持しやや戻しました。しかしボラティリティー指数は上げており、市場は依然不安定な状況にあることは変わりありません。
ヨーロッパの不安材料。それは、かねてから「PIIGS」(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)と称され、各国の膨大な債務問題はユーロ圏という大舞台の中で容易に解決がつかず、いわば、地雷のようなものとみられていました。
今回、なかでもとりわけ大きな不安が持たれているギリシャが問題化、その救済策のゆくえが注目されています。金融危機に襲われてヨーロッパ全体的に経済問題は深刻で、今後当面、市場の震源となるのは避けられないと思われます。
さて、米国のトヨタ問題はさらに広がりをみせています。
今日は、カローラも米道路交通安全局の調査を受けているというニュースが流れました。カローラはステアリングの不具合に関する苦情が多く安全性を確認する調査が行われているという情報でした。アクセルペダルの交換に端を発し、さらにはプリウスのブレーキ問題にまで発展した後も問題は収束する気配はありません。
また、ムーディーズはトヨタ格下げの方向性を発表、まさに泣きっ面に蜂の状況です。
トヨタの対応について、日本では経産相が「トヨタは比較的早い判断をしている」とコメントした(時事)ようですが、米国議会の評価は正反対で「トヨタは全く満足のいく説明をしていない」(ウオールストリート・ジャーナル)と不満が高まっています。特に電子制御システムのソフトウエアへの不信感にトヨタが直接対応していないことが、不満につながっています。
「溺れる者、藁をもつかむ」、これは英語のことわざが直訳されたもののようですが、米国でいつも思うこと、それは、「藁さえつかませず、溺れさせる」というか、「溺れる者には石を投げよ」という感さえあることです。
この日曜日にはスーパーボールがありましたが、アメリカンフットボールのように相手の攻めが弱った一瞬をつき横一線のラインで思いっきり押し返し、あわよくばボールを奪い返す。相手の弱みを一気に突く米国ビジネスの強靭さは相当です。敵失は好機とばかり、米国の自動車メーカーは日本車からの乗り換えには報奨金を上積みするなど、早くも販売拡大の攻めに出ています。
競合メーカーだけでなく議会やマスコミも一体となった攻撃布陣への対応には、相当高度な戦術を立てねばならないでしょう。ワシントンでのロビーングも含めて、トヨタ側は早急に自らの体制を強化し、強い守りの体制を立てなければなりません。完膚なきまでに打たれてしまう前に、自信を持って押し返す体制を作ることが肝心です。
日本政府は単に一企業の問題として済まさず、米国という国が相手であることを踏まえてしっかりとした支えになることが必要です。日本製品の品質への信頼を確保してその競争優位性を守れないような国の将来には滅びの末路しかありません。ここは本当に正念場ではないでしょうか。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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