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4月が終わろうとしているのにNYは肌寒く、ゴールドマンショックやギリシャ・ポルトガルの債務問題などが市場を襲い、マーケットにも少々寒風が吹き込んでいます。今日は、ゴールドマンの公聴会が行なわれるなど明るい材料はなく、ダウは急落して11,000ドルを割り込みました。
今日の議会の公聴会を聞いていて、トヨタの時もそうでしたが、魔女狩りを思わせる雰囲気には少し嫌気が差しました。ゴールドマンがサブプライムローン関連の金融商品を販売した際の情報開示に問題があり、内外の投資家の損失につながったというのが、議論の焦点です。
CDOという金融商品を販売した際、一緒に組んだヘッジファンドが売りポジションを作っていたが、その事実を公表しなかったゴールドマンの姿勢は問題で、しかも、大もうけしたというのはひどいじゃないかと、議員は数時間にわたり質問を浴びせました。議員は数千ページもの資料の中から都合の良い証拠を抜き出して使い、相当の勢いで質問していました。各国政府もこの問題に関心があると報道されるなど、ゴールドマンショックは長丁場となりそうです。
この種の調査は他の大手金融機関にも及ぶ可能性があり、今後不正疑惑のニュースが流れる度に、マーケットには激震が走ると見られます。一息ついたマーケットに、サブプライムというマグマが思い出したように噴出し、まるで、アイスランドの火山噴火を思わせるかのような状況です。
さて、そんな不安材料もありますが、今の状況の要点を見てみましょう。先日も書きましたが、経済全体では家計も企業も前向きな投資がなく、資金調達意欲は減退しデレバレッジが進んでいます。未曾有のゼロ金利状況下でも前向きな投資意欲は盛り上がらず、金融機関は貸し出し収益を伸ばせず、不動産ローンなど不良債権による利益圧迫要因は増し続けています。
しかし、先日のゴールドマンサックスの決算発表でもそうでしたが、金融業界各社は概ね好調な業績を発表していますが、これはマーケットのトレーディング収益に支えられています。市場で資金を高回転させ、より高い利回りを得る。このような動きは、機関投資家にも広がっています。
先日、米国のある大手機関投資家とのランチで感じたこと、それは、堅い運用で知られる年金などの機関投資家も、再び、ヘッジファンドなどのオルタナティブ投資に資金を振り向ける動きが加速化しているということです。こんな私の実感を裏付けるかのように、金融危機で引き上げられた投資家資金が再び、ヘッジファンドに戻っているというニュースが先週、流れました。
ヘッジファンド調査会社のヘッジファンド・リサーチ調べでは「今年第1四半期末、世界のヘッジファンド業界の運用資産残高は約153兆円となって増加傾向」だ、という記事です(時事)。
ヘッジファンド業界に資金が流入し、その資金が投資玉を求めてマーケットで跋扈する。上昇を期待して資金が流入し、その資金が結果的にマーケットを押し上げる。そんな循環が起こり始めているように思います。
金融危機以降、ヘッジファンドも以前ほどレバレッジはかけられないと思われ、どれほどリターンが上がるのか、中長期的に見守らねばなりませんが、市場の今後の勢いを計る上で、ヘッジファンドへの投資家の関心の高まりと投資資金の流入は当面見逃せない材料かもしれません。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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