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5月に入り日本では皆さんゴールデンウイークでゆっくりとされていたと思いますが、その間市場は揺れ動いています。ゴールドマン騒動は静まらず、ギリシャ問題は再発して、マーケットは乱高下を繰り返し、今日のダウは11,000ドルを下回って取引を終えました。
しかし、実態経済は少しずつ動き出しているのではないかという実感は出てきました。
先日、3月の個人消費支出が前月に比べて0.6%増となっていることを商務省が発表、これで6カ月連続のプラス記録となりました。また、サプライ管理協会が発表した4月の米製造業景況指数(PMI)も、前月の59.6から60.4に上昇、5年10カ月ぶりの高い水準をつけて不況と好況との分かれ目の50を9カ月連続で上回り、景気の堅調な回復ぶりを示しました。
また、世界第3位の航空会社であるユナイテッドと第5位のコンチネンタル航空との合併が発表され、世界トップの航空会社が誕生することになりました。デルタとノースウエストの統合を凌ぐ大型合併のニュースは、現在の厳しい経営環境をしのぎ、さらには、経済回復の波を受けた飛躍を期した戦略の象徴的な新しい動きとして評価されています。
大型合併のニュースがそもそも稀で、合併案が発表されても後日撤回される日本の産業界とは全く違うスピード感です。また、これで、JALの再建の方向性さえ見えない日本の航空業界はますます世界の動きから取り残されてしまうことになりそうです。
「ガラパゴス化する日本」(吉川尚宏氏)という本がありましたが、金融危機以降変貌を遂げている世界から隔絶されたかのように相変わらずデフレの空気を抱え続け、政治的混乱に振り回されている日本は、一人引きこもりを続けてまさにガラパゴス状態です。
前回、ヘッジファンドなどへの投資資金の流入スピードが増していると書きましたがIPO株式への関心も高まり株式公開への熱も戻りつつあります。IPOマーケットでは、今週は、年初来最大のペースで公開会社が生まれる週になると見られています。(アソシエイト・プレス報)
ニューヨークタイムズ紙の報道によると今週のIPOは8件、総額で約1,800億円のファイナンスが行われる予定です。今年は40社がIPOを行い約5,600億円を調達したとされています。
今後、IPOの流れが定着するためには、最近のように一日で200ポイントも下げ、翌日には同じだけ戻るようなボラティリティーは落ちつかなければなりませんが、投資資金が良い投資先を求めて待機している状況でもあり、たくましい起業家精神にあふれるアメリカの経済社会にとって環境は大きく好転しつつあります。
この連載を始めた1年前は、投資資金は凍りつきすさまじい勢いで市場から投資資金が消えていた頃でした。それに比較すると、市場環境は大きく改善し、通常の状況に戻りつつあります。
米国では市場機能を活かし世界的な競争に打ち勝っていこうと大企業の戦略もダイナミックさを取り戻し、ベンチャー企業も活発に動き出しています。日本は市場機能を上げてIPO活性化に向かって動き、早くガラパゴスシンドロームから脱するべきではないでしょうか。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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