TOKYO IPO スマホ版はこちら
TOKYO IPOTOKYO IPOは新規上場企業の情報を個人投資家に提供します。



IPO最新情報や西堀編集長のIPOレポート、FXストラテジストによる連載コラム、コモディティウィークリーレポートなど、今話題の様々な金融商品をタイムリーにご紹介するほか、資産運用フェア、IRセミナーのご案内など情報満載でお届けしています。

メールマガジン登録無料


開示速報検索サービス 登録無料!

米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2010年6月16日(水)
【PR】
【PR】
【PR】
6月に入りましたが、相変わらず市場は乱高下しています。今月のNYダウは今のところ10,000を下回った日が4日間ありましたが、その後は少し水準を切り上げ、今日は213.88ドル上げて10,404.77ドルで取引を終えました。

恐怖指数といわれるボラティリティーインデックスは高い水準のままです。ギリシャ、スペイン、ポルトガルの債務問題、そしてイギリスのBPの格下げなど、ヨーロッパの混沌とした状況は市場に影をおとしたままです。

先日FRBは今年の第一四半期の米国の資金循環統計を発表しました。家計部門はデレバレッジが続き、企業部門も帳尻はトントンと、資金調達状況は低調なままでデレバレッジの基調は変っていないことが明らかになりました。

一方、流動性はあふれており、投資資金は数限られた投資対象を求めて蠢いています。

良い材料と悪いニュース、前向きな見方と悲観的な見解、改善した指標と芳しくない経済データなど、ポジティブとネガティブが混在して、一方的な相場の流れを形成できない状況が続いています。欧米の財政悪化問題や高止まりの失業率など、重要で大きなテーマほど、解決のための時間がかかり、一気に、強気の見方に転じられるようなファンダメンタルではありません。

これからどのような相場になるのか?

以前雑誌で、「起こらなかった円高と円キャリートレードとの関係」について、野口悠紀雄先生が、「期待が自己実現する」という説明をされているのを読んだことがあります。例えばバブル発生の典型である「地価上昇を期待して行う土地投機が実際に地価を上昇させる」といったようなメカニズムのことです。

強弱、良悪の材料が混在する現在の状況では、当面は、「市場は乱高下するというボラティリティー期待がボラティリティーを引き起こす」、そんな市場が続く気がします。デイトレ−ドとは言いませんが、割安感と割高感の間で短期的トレーディングをして鞘を稼いでいく、そんなトレーディング相場で収益を上げられるかどうかが問われる状況が続く可能性があります。

これは、収益機会は限られる一方損失リスクは高いという難しい状況で、プロサーファーばりの波乗りのワザが要求されます。

ロングのポジションを作りながら、損失の波にさらわれないようにショートのヘッジも作っておく、そんな仕掛けをしながらの相場の波乗りは、ヘッジファンドなどのプロに任せておくしかないでしょう。実際、そんな見方からか、ヘッジファンドへの資金の流入が活発です。

そして、ボラティリティーで稼いでいくヘッジファンドがさらにボラティリティーを起こすという、「期待の自己実現」が複合的に波及していくかも知れません。ボラティリティーが跋扈する状況が続く限り、ヘッジファンドなどオルタナティブ投資への期待は当面高まることは間違いなさそうです。


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/

米国駐在インベストメントバンカー Mayflower


Copyright (c) 1999-2024Tokyo IPO. All rights Reserved.