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米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2010年8月25日(水)
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夏休みの余韻に浸る暇もなくマーケットは荒れ模様です。相変わらず債券相場は活況を呈している一方、NYダウは10,000ドル台ぎりぎりの水準まで下げて冴えない動きです。為替もご存知のとおり大きく動いた円高に歯止めがかからず、日本の当局の無策ぶりを市場があざ笑うかのような状況です。

世界的な景気の先行き懸念が強まり強気になれる材料はない状況ですが、それにしても9000円を割り込んだ日経平均の低迷ぶりはあまりにひどく、今日のランチでも株式のトレーダーと日本株の無残な状況が話題となり、日本人としては情けない思いで話を聞き流していました。

さて、このような波乱状況でこれからの社会はどのようになっていくのでしょうか?

金融危機がもたらした全世界へのダメージ、それはあまりに大きなものでした。その危機からの回復の処方箋は、日本と米国では異なり、それが市場の回復度合いの違いとなって表れていますが、これからの世界は金融危機以前とは大きく異なったものへと変貌していくのは間違いありません。いわゆるパラダイム(考え方の枠組み)は、大きなうねりのように変わっていくことになるものと思われます。

世界各国の大きな債務問題、ベービーブーマーの引退による需要の減退、デレバレッジ(借入の返済行動)の進行、そして経済の新しい牽引役の不在など、大きな成長を期待できるような環境要因はありません。したがって、今後成長するとしてもそれは緩やかで、時には一進一退しながらの、不安定な状況が続くと予測されます。

しかし、緩やかでもデフレを避けながら「成長する」ことが重要です。

米国の政策当局も、とにかくデフレスパイラルに陥ることを避け、「日本の二の舞にならない」ことを目指さねば、という強い危機意識を持っていると感じます。

このような環境で、緩やかな成長を受け入れねばならない庶民としては、米国の典型的な大量消費主義的な生活行動様式を脱することが必要となっています。そして、それは「生きることの幸せは何か」についてあらためて見つめ直すきっかけにもなっています。

一家庭で借り入れられる限度額も小さくなり、家を手放して借家に移り、贅沢な車から中古車へ乗り換え、外食から家庭での団欒に、そして、子どもは私学から公立へ転校と、生活の見直しを実行することに迫られています。日曜礼拝で、教会の駐車場に瀟洒な車と服装で参じるのも周りの目を気にしなければならない、そんな状況です。

満足な仕事には就けないが、なんとか働き口はある。そして、借りて使う資金も含めて年々豊かになって当たり前という概念は昔のものとなって、お金や物が増える楽しみは限界があることを前提としての楽しみは何か、そんな「新しい幸せのカタチ」を皆がそれぞれ探そうとしている、そんな雰囲気を感じます。今後、映画や文学でも、この「新しい幸せのカタチ」がテーマになっていくのではないでしょうか。


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/

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