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NYダウは10,000ドル台ぎりぎりの水準と冴えない状況のままです。円高については、日銀の対策がいつものとおり全く効果なく、「小さすぎて、スピード感のない打ち手」(TOO LITTLE, TOO LATE)に市場は呆れ返り無視するだけというのが常となってきました。
海外の新聞の批判は、日銀の耳には届かないのでしょうか?それとも、世論に左右されない「日銀の独立性の確保」という孤高な姿勢が何よりも大事だということでしょうか?
さて、先日、米国の2Qの実質GDP(国内総生産)伸び率が大幅に下方修正されて、景気回復が急減速していることが明らかになりました。失業率が改善しない中、GDPの大きな部分を占める個人消費が弱いままで、輸出も振るわないという状況が響いています。
連邦準備制度理事会(FRB)は、住宅ローン担保証券償還による資金を活用して国債を買い入るなどの金融緩和策を明らかにしており、日本と違ってこの点では安心できるところですが、財政赤字の状況下、政府が打てる政策も限界に達しており、ここからの対応は選択肢が狭くなかなか難しい状況となっています。
トンネルから中々抜け出ない長期的低迷は、本当に重苦しい嫌な感じです。
停滞感の三重奏、それはまず、戦闘任務が終了したとはいえイラクで4,400名もの戦死者を出しアフガニスタンでは泥沼している派兵問題です。日本のマスコミとは違い、戦場での困難な状況が日々新聞紙上で報道されているこちらでは、人々の心の中で不信感が増しています。
二つ目は低迷している経済問題。これが最初の問題と一緒と相まって大きく共鳴しています。
そして三つ目は、オバマ政権下、とめどなく注ぎ込まれてきた血税の問題です。これも、人々の我慢の限界を超え、各地でいわゆるティーパーティー党員の勢いが増しています。
重い停滞感の塊となった不満のマグマは、政治的な見直しの動きとして噴出してきています。今日も、アラスカ州の共和党上院議員予備選で、ほとんど無名の元判事が「ティーパーティー運動」の推薦を受け有利に展開していると報じられています。これは、新しい「幸せのカタチ」を見つける前に、押しつぶされてしまうような失望感を感じている人が多いからだと思われます。
そして、人々のこのやり場のない停滞感と怒りの矛先はオバマ大統領にも向かいつつあります。テレビのバラエティーショーでも、人気パーソナリティーが「一期、一期、大統領は一期のみ」とリズミカルに叫ぶなど、笑いの標的にされ始めました。
エコノミストの中には、経済的な低迷は相当の年数続くという説を発表する向きも出てきたようです。日銀の無意味な頑なさと日本で度々繰り返される政局劇など、世界的に恥ずかしいことが常態化するようになりましたが、米国でも停滞感が深まり閉塞状況が長期化すると、早晩、極端な政治思想の萌芽につながるのではないかと少し心配になり始めました。
そのような危険な状況に陥ることがなく取り越し苦労で終わるよう、米国が面している3つの問題のうち一つでも転換の可能性が見えれば良いのですが、それもなかなか難しそうです。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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