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米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2010年9月8日(水)
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先週続伸した反動と欧州など世界経済の先行き懸念が強まったことから、NYダウは107.24ドル安の10,340.69ドルで引けました。大きく買い上がる材料はないため、債券、金先物、日本円と、買い進む関心は他の投資対象に向いています。首相が何を言おうと、日銀がどんな手を打とうと、円はさらに高値を試しそうで、経済の現場としては苦しい状況が続きそうです。抜本的に打ち手を転換しない限り、日本としてはこの苦境を脱せそうにないのが無念です。

さて、今日のランチタイムは、サンフランシスコの街角のスターバックスで行過ぎる人々を見ながら、しばし考え事をしながらひとときを過ごしました。一日の間に四季が訪れるといわれるこの街では、この季節、昼を過ぎると早くも肌寒い感じがしましたが、その中で考えたこと、それは、「ダイバーシティ」です。この街では特に、中華系の人が目立ち、広告看板にも中国系の銀行の宣伝が目にとまるようになりました。スターバックスの前を行きかう様々な人々、彼らは、人種、国籍、性別、年齢、職歴、そして学歴が様々に異なりはするものの、職場でそれぞれの役割を担って仕事をし、ランチに出てきた人々です。

日本企業は、最近まるでダイバーシティというキーワードを使えば企業価値が高く評価されると考えているかのように、「ダイバーシティ対策室」などというものを設け、年次報告書でも1ページを割いて成果報告をしているところが少なくありません。

以下は、ある有名企業の会社報告書の一文です。

『ダイバーシティとは多様性のことであり、それは新しい価値の源です。私たちはお客さまにより高い価値をご提供するために、社員一人ひとりが積極的にダイバーシティへの認識を高め、真にダイバーシティを受け入れる企業になれるよう取り組んでいきます』

このような仰々しいことは、こちらの年次報告書では最近あまり目にしません。

雇用契約締結時に、いかなる理由でも差別を行なわないことを雇用主として確認し社員も他の社員に対して同様に尊重することを確認し、通常年に1回これを追認するという手続きを行ないます。しかし、ことさら会社の企業価値の一部としてこの制度を公表することは稀です。

数字や文書の読み込みなど強みの傾向が人種的背景に収斂していることはあるかもしれませんが、人種で決め付けず、あくまで個人の強みを見て適切な場所に配置するのが人事部の責任です。

私の法務チームを見ても、働き盛りの若手女性弁護士を子供が大きくなって余裕のあるベテランママが裁判関連事務をパラリーガルとして支え、病気で自宅療養中の社員と出産直後で自宅勤務中の社員が自宅からメールを駆使して係争関連書類のチェックを行なうなど、それぞれ様々な状況にいる社員が力を持ち寄って業務をこなしています。

この週末、息子の友人でアフリカ系の父とアジア系の母を持つ男の子がこんなことを言っていました。「僕は、自分の持ち味がダブルになっていてありがたいと思っている」と。

その言葉が脳裏に残り、ダイバーシティについて考えて過ごしたコーヒータイムでした。


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/

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