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メジャーリーグはプレーオフの熱気に包まれていますが、気候的には秋らしくなり、街中にはハロウインの飾りが目立ってきました。NYダウは、1万1千ドルとまずまずの水準で基本的に大きな買い材料がない中にも落ち着きを保っています。為替は相変わらず円高に歯止めがかからず、日本の当局の遅すぎた対応に市場が冷徹な相場を突きつけているといった状況です。
この時期以降ハロウイン、サンクスギビング、クリスマスと年末商戦が盛り上がる季節です。ホームセンターでは早くもクリスマスツリーや電飾の販売が始まり店内も少し華やいできました。
しかし、雇用不安が深刻でそのようなホリデー気分が盛り上がりそうにないことがわかりました。
先日、9月の雇用統計が発表されました。民間部門の雇用者数は一進一退ながらも9ヶ月連続で増加しているものの、連邦政府や地方自治体の雇用は大きく減少したことが判明しました。特に臨時的に雇用されていた国勢調査員の雇用が終了したことにより7万7千人もの雇用が減少した上に、その他の減少もあわせて前月比、15万9千人もの雇用が政府関連で減少しました。
失業者数は、全国で1,480万人ですから、その約1%にあたる仕事の口が新たに消えたことになります。この失業者とは別に620万人もの「働きたいが就職活動を行っていない」人がいます。これらの人々は、統計上は失業者としてはカウントされないため、実質的には2,100万人もの人が、仕事に就けない状況に陥っています。また、別に、947万人がパートタイマーとして働きなんとか凌いでいるという、とても厳しい雇用環境です。(データは時事記事引用)
政府関連で最も目立つ失業、それは教職関連で、新聞やラジオでは、連日、公立学校の先生のレイオフがニュースで報道されています。不景気による税収の低迷と財政赤字から多くの地方自治体が教員の削減を進めており、カリフォルニアのオレンジ郡では1,500名以上もの先生が学校を去り、シカゴでも1,200名規模の教員職が整理されたことが報道されています。
教育は国家の将来的な競争優位性を左右する重要事項だと唱えているオバマ大統領ですが、財政赤字の状況下、現実は理想と大きく乖離した状況となっています。
ところが、このような深刻な状況とは相反する驚くべき事実が大きな議論を呼びました。
ロサンジェルス学校区でこの秋学期からオープンした幼稚園から高校までを擁する4,200名規模の公立学校の設置に約470億円もの経費をかけたというのです。これは学校設置費用としては全米史上最高金額で、今や学校は「御殿」と揶揄され有名になってしまいました。
また、同学校区では、過去2年間に他に2つの学校を計約500億円で設置したことも明らかになり、この3年間、3校でおよそ1,000億円が投じられたことになります。
1,000億円もあれば、1年間約5万人もの人が最低賃金程度の仕事に就くことができ、苦しい財政下、巨額投資を実施したロサンジェルス学校区には大きな批判が寄せられています。いわゆるハコ物に費用をかけてしまうというのは洋の東西を問わないようですが、仕事がない人々の不満は大きく、当面、この問題に関する議論は静まりそうにありません。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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