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米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2010年12月1日(水)
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サンクスギビングホリデーが終わり、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーは今日が点灯式です。22.5m、12トンのツリーがNY州郊外から運び込まれマンハッタンに輝きを添えます。私もこの週末、庭に電飾の配線を終えて一段落して早くも年末気分になっていますが、株式市場も欧州危機を嫌気して休み模様、NYダウは11,000ドルをかろうじて維持している程度です。

アイルランドをデフォルトさせるべきかどうかの議論が不安に拍車をかけてしまった今回の欧州債務危機、不安が高まるばかりで安心して市場に出られない状況です。

その中で、先に発表された調査データによれば、いわゆるサイバー・マンデーといわれる感謝祭連休明けのインターネット上の小売売上高が前年比で約2割も伸びたことが分りました。特に高級品の販売が好調で一人当たりの購入平均金額も上がり1万7千円程度になったということです(時事)。感謝祭の連休中は車が動かないほど大混雑するため、自宅で手軽にショッピングできる月曜日のネット特売の勢いが増したようで、今後も年内はネットでの拡販が強化され消費者関連業界の売上がどの程度伸びるのか楽しみなところです。

この連休中、空港はとても混雑していました。年末までの一時的状況でしかないかも知れないとはいえ、増加している旅客需要に対応するために、大手航空会社各社は、パイロットやキャビンアテンダントの人数を増やしています。

来年初めにかけて、大手のUSエアーは約500人、アメリカン航空も約800人のスタッフを増やすことが発表されています。アメリカンは、約250人がパイロットで、その他が客室乗務員という内訳で、この増員はレイオフ社員を呼び戻す形で行われています。

昨日もロスから戻るフライトで、いかにも明るく仕事をしているアテンダントがいました。彼女に声をかけて、「ひょっとして仕事にカムバックしたの?」と直接的に聞いたところ、明るい声で、「イエス、この機会をずっと待っていたの」という明るい答えでした。仕事に戻ることができた喜びからか、今まで失業していたという暗さを感じさせない表情と動きでした。

その彼女を見て思ったこと、今までは、「仕事が回ってくる順番を待っていただけ」という、いわゆる予備役のような考えでいたのではないかということでした。

最近、米国では、失業が常態化してきたため「失業ノイローゼ」といかに戦うかということが、大きな問題になっています。失業のストレスマネジメント10か条というのが、よく新聞にも掲載されていますが、健康に気をつけろ、借金漬けになるな、なぜ自分が切られたか頭を整理しようなど言ったことなどですが、まずトップに来ること、それは「自分の適性を信じて、それを使う機会を焦らずに待て、待つことはそんなに捨てたものではない」という1か条です。

「軍隊で言う予備役と同じように、スタンバイしているのだ、そのうち必要な場面があれば必ず声がかかる」と信じること、これは精神的には簡単ではないことだと思います。しかし、自信をしっかりと持ち辛い環境に負けないという強さの表れでもあります。アテンダントと揺れる機内で立ち話をしながら、自分は予備役という仕事なの、と割り切って、予備役中は復帰を楽しみに待つ、それも一つの生き方だという割り切りの強さを感じました。


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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