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豪雪に見舞われ通勤もできないほどの寒波が襲ったNY、クリスマス休み後の休暇気分をそのままに家で過ごしたマーケット参加者が多かったようですが、指標の発表も思わしくなかった中、それでも株式市場は良く持ちこたえ、NYダウは11,575.54ドルと崩れずに推移しました。
去年は年末に何を書いたのか読み返してみると、一年を表す言葉として「ケア(Care)」の一語を取り上げていました。
今年はどんな年だったか。それは、「雇用改善とそのための景気回復」の対応に明け暮れた一年だったということではないでしょうか?大規模な流動性供給策をあらわす「QE2」という略称は、一般的に頻繁に引用されるほど人気の一語になりました。
今年は雇用状況がなかなか改善せず、それは結局、オバマ大統領への信任が大きく揺らぐという事態に繋がりました。しかしさすがにKYではいられない大統領、最終的には政策的妥協の大局的な手を打って大規模な減税策を導入したことは、ご存知のとおりです。
クリスマス開けのバーゲンで混雑するショッピングセンターに定点観測に出かけました。自分自身「ショッピングに出かけました」と表現しなかったことが示す様に、あふれる人並みを見てみても、ショッピングバッグを多く抱えている人は少ない気がしました。これは、財布が寒くショッピング三昧できない私のひがみかもしれません。クリスマス前の土曜日、「スーパーサタデー」は好調だったと言われており、今後、小売業のデータ発表に注目したいところです。
ちなみに今日発表された12月の消費者景気信頼感指数は52.5と前月の54.3と3ヶ月ぶりに低下し、相変らず回復に自信なく楽観視できないことが判りました。
こういう状況で、今年の動きを表す一語は何か。それは「日本のようになるな」でしょうか。
QE2や包括的減税政策の根幹にあるもの、それは、「日本の二の舞になるな」という強い決意と、「デフレを回避」するための一貫した行動です。
欧州財政危機など、米国以外にも不安要素は大きく、ともすればデフレに振れそうなところを、ダイナミックな政策で、デフレを回避するカンフル剤を懸命に打ち続けてきた、これがこの一年の姿でした。財政面、金融政策面のこれらの打ち手が、前向きな景気浮揚策といういわゆる栄養剤的な効果を未だ発揮しておらず、依然、救急措置的な手当てでしかないという可能性、これはFRBのバーナンキ議長や、オバマ大統領にとって頭の痛い大きな問題でしょう。
包括的減税政策を発表した時、大統領が真剣な眼差しで発した言葉、「日本のようになることは絶対に避けるべき」。それはその後混乱する民主党内を説得する一貫した主張にもなりました。世界的反省材料としての日本の長期デフレという大失敗。反面教師的に今年最後この国のトップが叫んだ一言を、「今年の一語」として取り上げるのは日本人としては複雑な心境です。
来年早々に景気浮揚の本格的な兆しが見えないと、大統領は政治的にますます苦しくなります。米国の政治、経済の状況は、年明け以降が正念場です。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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