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日本も雪が降っている地方が多いようですが、アメリカも至るところで厳しい寒波に見舞われています。また、新年早々、アリゾナでの国会議員をねらった銃乱射事件という恐ろしい話題が飛び込み、さえない欧州の話題とともに、早速、悪跳ねした兎には困ったものです。先週、実質的には全く評価できない雇用統計が発表されたものの、NYダウはその後、一進一退で推移し今日の終値は11,671.88ドルと、11,500を越えた水準で取引を終えています。
さて、新年に紙面を賑わせたのは、SNSで最も有名なフェイスブックの株式販売のニュースでした。非公開会社であるフェイスブック(Facebook)の株式の販売をしたのはゴールドマンサックス。ゴールドマンが取り組んだ仕組みの法的是非の論陣をニューヨークタイムズ紙が張っていました。
その法的な議論や、誰がその株式を購入できるのか、といった議論はさておくとして、今流行りのネット関連企業の株式が、いわゆる公開準備のように広く行きわたろうとしていることは、新年の新しい動きとして注目すべきだと思います。
同記事によれば、今回の株式販売の前提になっているフェイスブックの株式価値は、500億ドル(約4兆1千億円)ということです。これは、優良企業で市場の有力銘柄である、セネラルエレクトリック(GE)の時価総額の4分の1にもなろうという規模です。過去、2009年5月の100億ドル、2010年8月の270億ドル、そして今回と、同社の株式の評価は、着実に跳ね上がっています。
また、先日、ロイターが報じたところによると、2010年1-9月期のフェイスブックの売上高は12億ドル(約1,000億円)、そして、純利益は3億5,500万ドル(300億円)。ゴールドマンから株式を購入する人が参考にする資料に書かれていた数字の引用として報道されていますので、恐らく事実でしょう。
1年分の純利益を単純計算すれば、約400億円となり、時価総額の純利益倍率は、100倍となります。今後、フェイスブックは公称5億人の会員を世界中に有し1人平均130人の友人と繋がっているビジネスモデルを武器に、さらに利益を伸ばしていくことを前提にすれば、現時点での100倍という評価は驚きではありません。
日々誰もが活用している馴染みのサービスの株式がもてはやされて話題になること自体、停滞気味の経済や市場の中で、明るい話題として取り上げて良いことでしょう。
また、先日は、ビジネス向けに特化しているSNS大手のリンクドインが今年中の上場に向けて、幹事証券会社の選定を行なっているという記事もありました。リンクドインは、職歴などを登録して積極的に同業界同士で繋がりあい、アイデアや情報の交換に使えるページとして知られています。
もちろん、これら有名SNS企業の動きだけで、今年、米国でIPOが盛り上がると即断できるものではありません。しかし、少しずつ雪解けのように新しい動きが出始めていることだけは確かなようで、ここ3ヶ月にプライシングされたIPOは67件と、昨年同時期の29件に比べて大きく好転しています。
元気な新興企業がもっとIPOに向けて動けば、市場や経済の停滞感の払拭に大きく貢献するかもしれません。新しく価値あるサービスを創造し、それによって社会に影響力を及ぼしてきたネット関連企業、彼らには、市場の壁を打ち破る変革の先兵役になって欲しいものです。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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