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早くも1月が終わろうとしていますが、米国の株式市場は元気に跳ねて、週半ばのNYダウは12,000ドル近辺となっています。今のところ、ウサギは元気なようです。
今週は、オバマ大統領の一般教書演説がありました。
大統領は、国防関連以外の歳出を現行水準に5年間とどめるなど、財政赤字削減策を発表したほか、米国企業の競争力を強化するために法人税率引き下げる考えを示し、先般の包括減税政策と相まって、景気回復がさらに加速化することへの期待感が高まっています。
共和党は、オバマ大統領のバラマキという基本姿勢が変わらず、外交政策にも新味はなく、失業率改善の即効薬もないとして、批判を浴びせています。しかし、そこには、税率低減など共和党的な政策トーンをちりばめた大統領にうまくボールを奪われている焦りを感じます。
一般教書では冒頭、先日のアリゾナでの銃乱射事件に触れ、党派を超えた人々の心の結集を訴えました。911後のブッシュ大統領による一般教書もそうでしたが、このような大事件のあと、教書演説は国民の融合を呼びかける感動的なトーンとなります。論評者からも、この格調高い教書の冒頭部分は、評価が高かったようです。単に、野党に議論の協調を呼びかけるだけの日本の首相演説とは、残念ながら格調が全く違います。
さて、演説の前半で多く繰り返された表現、それは「世界は変わった」というフレーズでした。
「技術が進み、労働形態が変わり、国際競争が変わった、そこで米国が競争力を高めるためになすべきこと、それは技術革新であり教育である」と強調していました。中国やインドだけではなく、「次は我々の番だと」。その後、クリーンエネルギーの話につなぎ、やや冗長ながらも就任当初から力を入れている政策を力説しました。
さらに、歳出削減、外交問題と続け、大統領の最後のメッセージとして、ここでも同じ表現を繰り返し使い訴えかけました。「夢、我々は大きいことをするのだ」と。
そこで、あるヒーローの話がとりあげられました。昨年チリの炭鉱に閉じ込められた33人を救出するために必要なドリルマシンを不眠不休で製作したペンシルバニアの機械会社のオーナーの話です。この掘削機のおかげでプランBという救出作戦が成功、しかし、救出時には目立つのを嫌い静かに米国に戻ったという結末で、この会社の社員が語った似た一言をとりあげました。
「我々は小さな会社だが、大きなことを成し遂げた」
大統領自身が苦労して今の地位をつかんだ背景もあり、演説に引用されるストーリーは、魅力と説得力を伴って聞き手に伝わります。
「アメリカの夢は終わらない、そして行き着く先は我々が決めるのだ」
この締めのメッセージを国民が共有した時、米国は底力を発揮し明るい未来を掴むことでしょう。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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