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ニューヨークよりも2時間時計が進んでいるサンパウロから米国の株式市場を見ていて、今日はその乱高下ぶりに驚きました。今日一日で、NYダウは、お昼前の10,933ドル近辺までの急落から、終値の11,139.30ドルに戻るまで、大きくスイングしました。恐怖指数のVIXもまだ30を越えており、市場の不安はまだ消えておらず、当面乱高下が繰り返されると思われます。
ヨーロッパの不安が払拭されないことにはこのボラティリティーはおさまらないでしょう。
ところで、この週末テキサスのハイウエーを走っていて、ワイルドファイヤーにつかまりました。40度以上の気温の日々が続き乾燥度が限界になっている中、メキシコ湾で発生したストームの強風にあおられて火災が発生、燎原の火となって荒れ狂いました。ハイウエーは閉鎖、周りは煙に包まれて、怖い体験でした。
このような、プロの消防隊も手がつけられないほどのワイルドファイヤーを経験してふと思ったこと、それは、ヨーロッパの現状のことです。
欧州には、まだ、どんな火種があって、今後どのように燃え広がっていくのか。
従来から言われてきた債務問題を抱えている国々の問題のほかに、恐怖感が消え去らないこと、それは、ヨーロッパの金融機関の行く末で、今は特に、フランスの銀行が注目されています。
金融危機以降、世界の銀行はそのサイズが大きくなり、いわゆるメガバンク体制が強化されています。メガバンクの資産規模をみてみると、米国とフランスのメガバンクの資産合計は、偶然にも、「7」の数字に集約されます。
「マジックナンバー、7」それは、「7兆ドル(約560兆円)」という数字です。
ちなみに、日本のメガバンク3グループの総資産合計は、約5.2兆ドルで、これをやや下回りますが、日本のGDP(5.4兆ドル)と対比すると、ほぼGDPに匹敵する巨大な規模であることがわかります。
米国では、JPモルガン、バンカメ、シティー、ウエルスファーゴのメガ4行の総資産は、約7.4兆ドル、米国のGDP(14.6兆ドル)のおよそ半分の規模に相当します。これに対比して、フランスのメガバンク、3行の資産規模を見てみると、クレディアグリコール、パリバ、そしてソシエテジェネラルのメガ3行の総資産合計は、6.8兆ドルと、米国メガ4行に迫る規模です。しかし、フランスのGDPはというと、2.8兆ドルという経済規模で、メガ3行の資産規模は、GDPの2.4倍もの大きさです。
なかでも、パリバ単独で、およそ2.8兆ドルとまさにフランスのGDPに匹敵する規模です。
明らかに「大きすぎて無視できない」規模ですが、「大きすぎていかなる事態への対応も難しい」という見方もあります。数週間前に、英国紙がフランスのある金融機関の信用状況に関する誤った記事を掲載した際には、迅速な対応がなされたのは記憶に新しいところです。しかし、今後、欧州の債務問題がワイルドファイヤーと化した時、フランスとその巨大金融機関がどう対応するのか、この燎原の火の消火対応を誤ると、世界を恐怖に陥れるリスクも少なくはないと思われます。当面、欧州から目が離せません。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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米国駐在インベストメントバンカー Mayflower
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