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米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2011年9月14日(水)
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今日の米国株式市場は、特に材料がない中、なんとなく堅調に推移してダウは前日よりも44.73ドル高い、11,105.85ドルで取引を終えました。このレベルでは今後の市場の見通しができない水準で、恐怖指数といわれるボラティリティーも40近く不安定な状況が続いています。

さて、来週終わりまで南米までの往復行脚を続ける予定で、今日は、チリのサンチャゴでマーケットをみています。ニューヨークとの時差は1時間と、リアルタイムに動ける上に、とても美しい春が到来して、外出をするのも楽しい季節です。

山頂が雪化粧されたアンデスの山々を背景にした美しい町に咲く梅の花の香りを感じながら外を歩くのは、荒いマーケットに傷められた心を癒してくれるひとときです。チリは南米の中で秀でた格付けを有する国で、成長を遂げた先輩格の国として、今後の南米の行く末を見渡すのに良い場所だと思い、今回来てみました。ワインに惹かれてきたというわけではありません(笑)。

さて、世界のマーケットでの不安材料は消えるどころか増えてきました。

今週のマーケットでは、前にも書いたフランスの金融機関が注目を浴びています。米国でも、バンクオブアメリカが3万人規模の人員削減を発表、イギリスの金融機関HSBCも同規模の人員削減をする予定で、また、野村證券もロンドンなどでの経費削減を検討していると報道されるなど、どの金融機関も利益確保に躍起になっています。

こんな中、金融危機時に良く聞いたCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)という言葉を再び頻繁に耳にするようになりました。リーマン危機を契機として、信用度に関する投資家の認識を表すこの指標が急上昇した、というのは記憶に新しいところですが、最近は再びCDSが当時のレベルに近づきつつあります。

CDSはその金融機関の状況を簡単に示す指標のひとつでしかなく、いわば金融機関の実際の本質的実態を「犬のからだ」に例えれば、これは「尻尾」のようなものだといえるでしょう。しかし、今や、この「尻尾が犬を振り回す」状況となって、これが全体的に恐怖指数を高止まりさせる結果になっています。

「尻尾が犬を振り回す」という構図が生んでいるもの、それは、欧米の金融機関への不安が世界的に波及してリーマン危機が再来するのではないかというシナリオの恐怖感でしょう。

リーマンショックの時には、欧米の金融当局はこの指標の動きに特に敏感に対応し、事態悪化を防ぐことに力を注ぎました。今後、市場が予期せぬ方向に走った場合、どのような対応をするのか、CDSのリスクプレミアムは神経質に見ていると思われます。

市場は、高い信認度が前提にあってこそ効率的に機能するもので、それが確保できない状況では、市場への参加をするべきではない、と一般的に考えられます。つまり、今のようなボラティリティーでは、市場からの一時的撤収を考える市場参加者が増えてもおかしくなく、それは、まさに尻尾(ボラティリティー)が犬(市場)を殺すというような状況を生む虞があります。ここ当面は、ボラティリティー指標から目が離せません。


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
米国駐在インベストメントバンカー Mayflower


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