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米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2011年10月5日(水)
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10月に入っても世界の市場の不安は深まっています。米国の株式市場は、今日一日でもNYダウは上下150ポイントの幅で乱高下して、最終的には10,808.71ドルで取引を終えました。恐怖指数といわれるボラティリティーも40を超えたままと、不安定な状況が続いています。

北米では10月はハロウインの「お化け南瓜」の飾りつけが秋らしさをかもし出す月ですが、さながら世界の市場は「第2のリーマンショック」というお化けに恐れおののいている状況です。

さて、この3週間、南米行脚を続けていたため、このコラムもお休みしていました。

サンパウロのオフィスでマーケットを見ていましたが、欧州債務問題を契機とした市場の混乱下、私の滞在に合わせるかのようにブラジルの通貨レアルは20%も急落、厳しい思いに胃を痛めながら3週間を過ごしました。ブラジル・ロシア・インド・中国と、いわゆるBRICSは先進国の景気後退を横目に発展し続けてきましたが、今やその勢いが失速しつつあります。BRICSの勢いが落ちると、この国々を市場にしている先進国の企業にはダメージが広がります。

これから世界経済はどうなっていくのか。八方ふさがりの米国からだけでなく、通貨暴落に揺れる新興国優等生のブラジルから眺めてみても、今後の行く末を読むのがとても困難な状況になってきました。新興国にしてみれば、「走り続けるとかえって息切れをして倒れてしまう、ここで、一休止するのもかえって悪くない」という、調整局面でもあります。

そこで、日本や米国など、先進国はどう対応すべきか。

冒頭にも書きましたが、ハロウインには、お化け装束に変身した子どもたちは、家々の戸をたたき、「トリック OR トリート」(化かされたいか、それともお菓子をくれるか)と声をかけていきます。まさに、今の先進国は、「トリック〜このまま恐怖につぶれされるか」それとも、「トリート〜世界的にダイナミックな打開策を出すか」の重要な局面に迫られています。

米国では今日FRBのバーナンキ議長が議会証言を行いましたが、何ら目新しい材料は発表されませんでした。それも当然でしょう。なぜなら、米国だけが、流動性の大量供給を打ち出しても、それはもはや小手先の対応としてしか受け止められかねず(何もしない日銀はさておき)、もはや効果は限定的です。FRBとしては、国内の政治状況もにらみながら、もっと効果的なタイミングで抜本的な手を打って、時局に「トリート」したいところでしょう。

世界の債務危機をひきがねとした国際金融危機は、この秋始まったことではなく今までも「そこにあった危機」です。ただ、今は、この「恐怖感」というゴーストが「ボラティリティー」という姿を現して市場を跋扈しているという状況です。

長期出張前の前のコラムでボラティリティーから目を離せないと書きましたが、それは未だに変わっていません。この「トリック」からどう逃れるか、「トリート」に時間をかけているとゴーストに市場を乗っ取られるという最悪の事態、つまり、「国際金融危機」が怖れられるところです。

欧米(日)の国際金融専門家の英知の結集によるアクションが問われる局面です。


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
米国駐在インベストメントバンカー Mayflower


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