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米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2011年12月21日(水)
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今週の米国株式マーケットは相変わらず乱高下を続け、今日は、急に楽観的な見方が占めて相場は上げています。ダウ平均は、前日終値比337.32ドルも上げ、12,103.58ドルとなっています。相変わらず、欧州債務問題は大きな重石ですが、米国の足元の新規住宅着工統計などが良かったこともあり、経済回復への期待感から堅調に推移しているようです。

恐怖指数は22近辺と、多少、ボラティリティーは鎮まっています。ボラティリティーも今のところは休み気分でしょうか。

さて、先日は、リーダー不在の時代、しかも、世界環境の変動性(ボラティリティー)が非常に高い状況で、「アジリティー」つまり「受容性、変容性」が重要なキーワードになるのではないかと、書きました。色々な国、地域の多様性を受容し、その上にを緊密な関係を築いて、それぞれのポジショニングを上げていく、そんな見識が肝要だという考えです。

しかし、単に、器用に受容性をあげるだけであれば、いわば、「器用貧乏」に終わってしまうおそれもあります。

そこであわせて重要なこと、それは、しっかりと「軸足を持つ」ということでしょう。自国としての軸足は何か、その強みは何か、まずはそれを良く認識して、さらにそれを強くしていくための施策を考えるべきです。日本がTPPの交渉を行う際にも、このような強みの自己認識と、さらにそれを強くしていくための方策をどのように複数国間交渉で活かしていくのか、綿密に考えていく必要があります。米国も、自らのコア・コンピタンスを強めるべく、TPP交渉では激しいせめぎあいを挑んでくることでしょう。

逆に自らの弱みも知れば、次は、その弱みをどのように補完すべきなのか、その打ち手を考えることになります。

いいかえれば、今必要だといわれる「アジリティー」とは、危機的な状況にあって、「状況を受容する中で、自分の強みをより一層発揮しつつ、弱みが自分の足かせとならないよう、予め、防護策も具備しておき、器用に動く」ということではないでしょうか。

つまり、どんな状況でも、まずは「強み」をしっかりと出せることが基本となるでしょう。

米国の強みは、その多様性と、技術や意匠のたゆまぬ革新性にあります。タブレットPCなどは、技術的には、日本の電機メーカーにとっては簡単に生み出せる商品だったはずですが、それを世に出す開発力、マーケティング能力は、米国が日本を凌いでいたために後塵を拝しました。そして瞬く間に、これらの製品の製造は、韓国や中国が追いついています。

日本は、その基本技術力の高さという強みを武器に、マーケティング力という強みを持つ米国を味方につけることで、「アジリティー」を具備できるはずです。

そして、そのフォーメーションこそ、アジア他国との差別化となるはずです。国家の競争力の多面的強化策こそ、TPP交渉のベースとしてしっかりと考えるべきではないでしょうか。



筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/

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