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前回は今年の行方について、展望しました。
もう一度、短くまとめてみると、米国では今年「景気は弱いながらも回復持続」。しかし、「いつ息切れするか判らないほどの弱い景気回復」で、特に、「ろくに回復しない、消費者心理」や「はっきりしない、政治の行方」、「にっちも、さっちも行かない政府の財政問題」、そして、「ほんとうに先が見えない欧州問題」などの要因が不安定さをあおると見ています。
そして、「へいそく感が続き、所得格差は拡大し社会環境が悪化」するリスクが高く、その混迷を深めないためにも、「とつぜん、緩和政策が調整されないことが特に重要」だと見ました。
さて、こういった要因の深層にあるもの、それは何でしょうか?
金融危機後、「ニュー・ノーマル」という言葉が良く聞かれました。
大手債券運用会社ピムコの最高経営責任者であるモハメド・エラリアン氏が提唱した、金融危機以降、世界は新しい経済モデルに移行するという考え方でした。しかし、これが金融資本主義からの脱却を意味するのか、アングロサクソン経済モデルの変身なのか、このキーワードが出て数年たっても「ニュー・ノーマル」とは何か、今ひとつ見えず、世界の混迷は増しています。
今、東京でこれを書いていますが、日本の「閉塞感」は、米国以上のような気がします。
今年、この先にあるものは何か。それを考えていて、ラグラム・ラジャンの「フォールト・ラインズ」を思い出しました。「大断層が金融危機を再び招く」という一文が表紙に踊るこの本、まさに大断層が動き貞観大地震を再来させた東日本大震災の恐怖体験の様に、今一度、そのリスクに思いを巡らさざるを得ません。
「金がなければ借りればいい」(第一章)と、債務を拡大させてきた先進各国。今、その車輪が回らなくなって、危機に瀕している欧州。そして、拡大が収まらない米国の所得格差。こういった現実の「ひずみ、ゆがみ」が溜まり、それが弾けて大きく断層が動くという危機状況の発生リスクは高まっているのかもしれません。
冒頭の今年のキーワードには、ひとつも前向きなものはありませんでした。金融危機の恐怖が脳裏から消えつつある今、実は、大断層のエネルギーが蓄積され、再び危機を引き起こす可能性が高まっているリスクがあります。
金融危機2.0の津波が世界を襲い、今度は、新興国経済をも飲み込むのか、本来の心配性からかも知れませんが、年の初めに、閉塞感だけではなく少し恐怖心を感じています。このような局面では、抜本的な解決策である、ひずみを取り除くことがとても重要ですが、所得格差の解消ひとつをとっても、政治的に、そして社会的になかなか容易ではなく、ひずみは溜まる一方です。
金融危機につながる「ひずみの蓄積リスク」が、どの程度高まっているのか、ここは、ひずみ計測器が欲しいところです。
筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/
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