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米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2012年1月25日(水)
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マーケットはなんとか落ち着いています。米国の株式相場は、NYダウで12,675.75ドルと持ちこたえており、そんな市況を反映してか、いわゆる恐怖指数も20を下回る水準(18.91)となっており、不気味な静けさです。

ボラティリティー指数の低下、それは、市場の危機がもはや過去のものとして忘れてよいということを意味しているのか、私は、それは全く違うと思います。

震度が体感できないほど小さくなったというだけで、ボラティリティーの根本的な種は、決して消えているとは思えません。前回このコラムで例えにあげたとおり、市場でのひずみが貯まっているだけで、底貯まりした市場の不安心理が大きくはずれる瞬間が恐れられるところです。

さて、ここ連日の話題は、共和党の大統領候補の絞込みプロセスとしての選挙戦です。

アイオワ州を皮切りに、その後、ニューハンプシャー州、サウスカロライ州で各候補の議論が戦わされ投票が行われてきました。各州で、勝利者がそれぞれ異なるという結果は珍しいもので、なかなかおもしろいものがあります。また、このプロセスを経て、投票を集められない候補者は脱落を発表、公衆の前での選別、絞込みの手続きは、なかなか壮絶です。

ここまでの修羅場を乗り越えてこそ、大統領候補としての下地ができるというものなのでしょう。日本の首相がこれほど激しい選別劇を経てトップに登りつめることはなく、国の頂点の人材としてそもそもストレス耐性は根本的に違うことが思い知らされます。

共和党の大統領候補者の中で、元下院議長のギングリッチ氏が有利に展開し始めていることは日本でも報道されているとおりです。議論をファシリテートする司会者からの個人的スキャンダルがらみの質問を受けても、ものおじするどころか、その質問を利用して放送しているテレビ局を批判し我田引水を図る力強い議論の導き方、「ホームラン級」とも言われたその返し方は、なかなかのものと評されてはいますが、私には単に「あつかましく」、「議論慣れしているだけ」という気がします。

前回も書きましたが、米国で生活をしていて、社会的ひずみが増している状況には怖いものを感じます。「ウオール・ストリート占拠」の運動だけではなく、改善しない雇用状況と苦しい所得状況についての人々の不満の高まりは、憂慮すべき状況にあると思います。

オバマ大統領は、なんとか、所得の再分配(つまりは、バラマキ政策)を通じて、なんとか社会的な対応を進めようとしてきましたが、財政的にも限界に達し、そしてその政策の実効が目に見えないという効果測定面においても、窮地に立っています。

対して、共和党のギングリッチ氏や、ロムニー氏が、不満が高まっている民意の救世主となるのか、実は、そんな印象は全くありません。結果的に、共和党も民主党も米国の社会的「大断層」の破断を防げないとしたら・・・。考えるもの怖くなってしまいます。

窮状解決型の政治リーダーの登場が待たれているという状況、日米共通の大きな悩みです。


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/

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