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米国事情NOW〜金融、経済、そして政治。米国は今〜
2012年2月8日(水)
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マーケットは落ち着いています。米国の株式相場は、NYダウで12,878.20ドルと年初来上げ基調を維持しています。また、いわゆる恐怖指数も17.65と、安定的に下げ、不気味な静けさがかえって気になっています。

今日は、FRBのバーナンキ議長の上院議会証言がありました。この質疑を聞いていましたが、同議長は、淡々と、「この1年間、景気は回復しているという兆候は見せているが、雇用の回復度合いは、あるべき姿からはほど遠い」と語っていました。「雇用市場が正常化されるのは、まだまだ先のことになるだろう」と繰り返し、特に、「長く失業したままの人が多いという事実は、とても厄介だ」とも述べていました。

議長のこの見解は、金融危機以降の一貫して述べてきたことで特に新しいことではありません。

ことに、今年にはいってからのバーナンキ議長の発言をフォローしてみると、「雇用の回復には、金融政策以外のファクターが重要で、人口動態や技術革新の進展、そして政府の政策こそが鍵である」と強調しています。

この雇用状況の悪さは、年初にも言ったことですが、社会的雰囲気の悪さにつながっています。先日発表された、8.30%の失業率という数字には、社会の実感が伴っていません。

週末、金融危機以降4回目のアメリカの冬のフットボールの祭典、「スーパーボール」が終わりました。このゲームのテレビCMは、スポンサー各社が金をかけて特別なコマーシャルを提供することで知られていますが、今年は、特に話題になったものはありませんでした。スポンサーも資金をかける余裕がなかったのかもしれません。

ハーフタイムのコマーシャルでは、クライスラーはクリントイーストウッドを起用し、「これからの後半で取り返すのだ、再度立ち上がれアメリカ」というメッセージで、日本など競合メーカーに打ちのめされた自動車メーカーの町デトロイトが復活するイメージを発信し、愛国心に訴えていました。デトロイトで、アメリカで、雇用を取り戻すのだと。

また、GEも、雇用回復に貢献しているメーカーとしてのイメージ広告を放映していました。

コマーシャルのキーワードが「雇用」となるほど雇用が重要なテーマであることが、このお祭りでも浮き彫りになりました。

オバマ大統領の支持勢力のひとつであるサービス労働者組合の上部団体(SEIU)では、「失業手当、雇用をなんとかしろ」、というキャンペーンがさらに盛り上がっています。アメリカの民主主義の特徴は、色々な意見が対立しながらも双方がうまく共存し切磋琢磨しあってきたところにあると思いますが、最近は、対立だけが目立って、今までとは異なった雰囲気です。

議会はお互い相容れず教条主義的に対立し、大統領も自分の考えを下に指示しまるで王様のように振舞っているようにも見え、今までの米国とは違った対立の構図が目立っています。米国らしくない状況が続く中での平穏なマーケット。違和感がぬぐえないのは私だけでしょうか。


筆者ブログ「アメリカは今」 http://ameblo.jp/god-bless-market/

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